徳島県議会 > 2022-06-17 >
06月17日-03号

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  1. 徳島県議会 2022-06-17
    06月17日-03号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    令和 4年 6月定例会   令和四年六月徳島県議会定例会会議録(第三号) 令和四年六月十七日    午前十時二分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     八  番     東  条  恭  子 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十一番     南     恒  生 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十 番     嘉  見  博  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     加  藤  弘  道 君     次長       島  田  浩  寿 君     議事課長     大  屋  英  一 君     政策調査課長   佐  金  由  美 君     政策調査課副課長 秋  山  敏  二 君     議事課副課長   木  邑  博  英 君     議事課課長補佐  谷  本  か ほ り 君     議事課課長補佐  一  宮  ル  ミ 君     議事課係長    小  泉  尚  美 君     議事課係長    森  崎  美  里 君     議事課係長    築  山     優 君     議事課主任    丸  山  香  織 君     議事課主任主事  広  田  亮  祐 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       飯  泉  嘉  門 君     副知事      酒  池  由  幸 君     副知事      勝  野  美  江 君     政策監      瀬  尾     守 君     企業局長     板  東  安  彦 君     病院事業管理者  北  畑     洋 君     政策監補兼危機管理環境部長              谷  本  悦  久 君     政策創造部長   村  山  直  康 君     経営戦略部長   伊  藤  大  輔 君     未来創生文化部長 上  田  輝  明 君     保健福祉部長   森  口  浩  徳 君     商工労働観光部長 梅  田  尚  志 君     農林水産部長   平  井  琢  二 君     県土整備部長   貫  名  功  二 君     会計管理者    金  井  仁  志 君     病院局長     佐 々 木  季  裕 君     財政課長     福  岡  克  己 君     財政課副課長   高  木  和  久 君   ────────────────────────     教育長      榊     浩  一 君   ────────────────────────     人事委員長    森     俊  明 君     人事委員会事務局長福  田  輝  記 君   ────────────────────────     公安委員長    齋  藤  恒  範 君     警察本部長    小  澤  孝  文 君   ────────────────────────     代表監査委員   近  藤  光  男 君     監査事務局長   藤  本  真  路 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第三号 令和四年六月十七日(金曜日)午前十時開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名) 第二 議案自第二号至第十八号、計十七件   (質   疑)                       (委員会付託)   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を前回に継続して行います。 三番・井下泰憲君。   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) 皆さんおはようございます。徳島県議会自由民主党の井下泰憲でございます。 昨日は、かわいい次男の五歳の誕生日でしたが、一緒に過ごすことはできませんでした。改めて、いつも支えてくれる家族や、また支援者の皆様に感謝するとともに、この場所に送り出してくださった三好市の皆様の御期待に少しでも沿えるよう、残りの任期を精いっぱい努めてまいる所存でございます。 理事者の皆様におかれましても、広い徳島県の地域の事情に寄り添った御答弁をお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 当選後初めての一般質問で、親と子供の支援について、家庭教育支援条例に基づき、庁内連携すべきではと提案させていただきました。その後、連携の形を進化させ、昨年は、全国でもなかなか例がないであろう、コロナ禍における県下全域での子供と家庭の実態調査を、この連携を活かして行ってくれました。これにより、見えなかった部分が見えてきたことは、今後の支援体制の強化に大きな意味があったと感じています。 親と子供の支援については、社会構造が大きく変化する中で、複雑化、多様化しています。支援体制の強化はまた急務となっています。おととい国会で設置が決まったばかりですが、国も、こども家庭庁を創設し、子供真ん中社会を目指して国全体で取り組む姿勢を見せてくれていますが、現場となる自治体において、対応する人材確保も含めて、まだまだ課題があるのも現状です。 そこで、お伺いいたします。 国において令和五年四月にこども家庭庁が設置されるに当たり、県としてどのように取り組んでいくのか、御所見をお願いいたします。 次に、生活困窮者対策の充実強化についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症による国民生活や経済への悪影響の長期化に加え、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響により、原油や穀物などの価格は高い水準で推移しています。さらには、円安も大きく影響し、ガソリンや食品の価格は大きく上昇しており、生活に困窮する方にとって大変厳しい状況となっています。 これまで、生活困窮者への支援として、自立支援制度に基づく事業実施のほか、コロナ禍における緊急対策として、生活福祉資金の特例貸付による制度拡充や生活困窮者自立支援金の創設など、各施策を講じてきています。 先日、政府においては、コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策を決定し、低所得の子育て世帯に対する児童一人当たり五万円の新たな特例給付や、住民税非課税世帯などに対する十万円臨時特例給付をプッシュ型へと運用の改善を図るほか、特例貸付や自立支援金の申請期限を延長したところであり、真に生活に困っている方を支える施策にしっかりと取り組んでいると認識しています。 一方、コロナ下において、生活に困窮する方の抱える課題やニーズは複雑化、多様化しており、これまでの相談者層とは違う方がいたり、支援を必要としながら公的な支援につながっていないケースもあると聞いています。 こうしたことから、今後、必要かつ重要となってくるのは、生活困窮者を社会全体で支える枠組みをつくり、自立に向けた支援を継続的に実施し続けることであり、これはコロナ禍から得た未来につながるものであるとも思います。 長期化するコロナや物価高騰の影響を見据え、誰一人取り残すことなく、生活に困窮する方を支えるために、県としてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、今議会に提案されています国の診療報酬改定に伴う「議案第十五号・徳島県病院事業の設置等に関する条例の一部改正について」質問させてもらいます。 選定療養費の増額改定ですが、二年前の文教厚生委員会においても、私のほうから意見をさせていただきました。本来の目的は、かかりつけ医と中核病院とのすみ分けが目的であり、これについては、地域医療の安定と、救急を抱える中核病院の医師の負担軽減という意味で、必要なものであると考えています。しかし、私の住む県西部圏域では、夜間の小児救急におけるかかりつけ医の選択肢がなく、県立三好病院がその役割を担っている現状があります。 特に私が危惧しているのは、低所得世帯などへの影響です。今回の七千七百円という金額は、ひとり親世帯、母子家庭の平均月収が十六万円と言われていることから考えても、おおよそ一日の所得と同じ額が選定療養費でかかってしまうということです。夜間に急に具合が悪くなった子供を連れた親が病院に行ったときに、この費用が壁となり、受診を控える、そんなことになってしまうかもしれません。 子供たちの環境で、医療と教育だけは絶対に格差があってはいけません。ましてや、県民医療最後のとりでと自負する県立病院ならなおさらです。 とはいえ、そもそもこの制度は国の制度であり、県では対応が難しいことは重々承知しているところですが、あまりにも医療体制の脆弱な地域を無視した粗暴な制度内容に、国に対して憤りを感じています。 知事、私の地元県立三好病院における選定療養費の増額改定に伴う負担軽減策について、子育て中の低所得世帯などへの何か対応策はないのか、お願いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 井下議員の御質問にお答えさせていただきます。 県立三好病院における選定療養費の増額改定に伴う負担軽減策についての御質問であります。 選定療養特別初診料につきましては、地域の中核病院とかかりつけ医との役割分担を明確化するとともに、相互の連携強化を推進することにより、地域の医療提供体制を安定的に確保するため、紹介状を持たない方が中核病院で受診された場合に特別料金を御負担いただく制度です。 令和二年度からは、一般病床二百床以上の地域医療支援病院につきまして、選定療養費の徴収が義務づけられたところであり、このたび、対象病院である県立中央病院と県立三好病院につきまして、料金額の下限を引き上げる国の制度改正に伴い、所要の条例改正案を提出させていただいているところであります。 なお、令和二年十月の改正で三好病院の料金額を引き上げましたところ、令和三年度には、地域連携の指標となる紹介率、こちらが、義務化前である令和元年度が四九・九%、それが六三・九%へと飛躍的に向上したところであり、地域の医療機関との機能分化や連携強化に大きな効果が現れているところであります。 その一方で、西部医療圏におきましては、夜間小児に対する初期救急体制が整っておらず、三好病院とつるぎ町立半田病院との輪番制になっているため、住民の皆様方にとって、病院選択の余地がございません。 こうした状況の下、選定療養費の引上げにつきましては、実施した場合、所得が低い子育て世帯の方にとって、安心して必要な医療、これを受ける機会を奪うことにつながりかねない、こうした御意見、また、実施しなかった場合、医療提供体制の維持確保や医師の働き方改革に大きな影響を及ぼす、こうした御意見、まさに二律背反する御意見があるところであります。 そこで、国が推進する施策、この方向性を堅持しながら、西部医療圏の特殊性に鑑み、選択肢のない子育て世帯における経済的負担軽減を図るため、本県独自のモデルケースといたしまして、当面の間、県立三好病院の夜間小児救急を受診される住民税非課税世帯を対象に、実質的な負担増加につながらない新たな助成制度を創設する方向で、早急に関係機関との調整、こちらを進めてまいります。 さらに、国に対しましても、今、井下議員から少し怒りに満ちた声があったわけでありますが、こうした声は大変重要なところでありまして、国に対しましても、地域の実情に応じて、より柔軟な料金設定が可能となるよう、積極的に政策提言を行うことといたします。 今後とも、県立病院が地域の中核病院として、その役割、機能を存分に発揮しながら、県民の皆様方に良質な医療サービスを安定的に提供することができるよう、創意工夫を凝らしてまいります。   (酒池副知事登壇) ◎副知事(酒池由幸君) こども家庭庁の設置に当たり、どのように取り組むのかとの御質問をいただいております。 これまで、家族構成の変化や地域コミュニティーの希薄化により、子供を取り巻く環境が複雑化する中、子供関連の施策につきましては、内閣府、厚労省、文科省など複数の府省にまたがって所管されていることから、府省間の調整に時間を要し、迅速な対応に結びついていないといった課題が指摘されてきました。 このため、国におきましては、子供及び子育て当事者の視点に立った政策の企画立案、総合調整を行うこども家庭庁を設置する法案が、一昨日、可決成立し、強い司令塔機能を持つ新組織として、令和五年四月に創設されることとなりました。 本県におきましては、これに先駆け、時代の潮流や課題に的確に対応し、子供や青少年、子育て世代への一貫した施策を展開するため、徳島はぐくみプランを策定し、あらゆる主体が協働し、安心して子供を産み育てることのできる徳島の実現に向け、積極的に事業展開を図ってまいりました。 とりわけ、議員お話しのとおり、関係部局間の連携が重要であるとの認識の下、ヤングケアラーの支援に関するプロジェクトチーム、徳島県家庭教育支援条例に関する情報交換会などを設置し、部局を超えた情報共有と意見交換を行いますとともに、今年度には、関連施策の連携や調整を行う担当次長を未来創生文化部に配置し、児童虐待への対応やヤングケアラー支援対策の強化などに鋭意取り組んでいるところでございます。 一方で、国難とも言えるコロナ禍は、子供を取り巻く環境に一層深刻な影響を及ぼしており、その長期化による経済的な困窮や生活不安を背景に、児童虐待、いじめや不登校の増加が懸念されており、今まさに子供たちを社会全体で守るためのこれまでにない緊密な連携が求められております。 そこで、本県におきましては、この喫緊の課題に即応し、部局間の垣根を取り払い、有機的に連携いたしますとともに、こども家庭庁の設置に対応した準備を国の動きに先んじて行うため、子ども・子育てに関する政策を推進する連携会議を早期に立ち上げ、全庁を挙げて子ども・子育て支援につなげてまいりたいと考えております。 今後とも、こども家庭庁が担う役割や新たな施策にアンテナを高く掲げますとともに、国や市町村、関係機関と緊密に連携し、次代を担う子供たちが夢や希望を持って成長できる社会の実現にしっかりと取り組んでまいります。   (森口保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(森口浩徳君) 生活に困窮する方々を支える取組について御質問を頂戴しております。 生活に困窮する方々への支援につきましては、平成二十七年四月に生活困窮者自立支援法が施行され、生活保護に至る前段階で相談支援を行い、自立促進につなげる取組を実施しております。 県では、この法律を受けまして、関係機関で構成する徳島県生活困窮者自立支援推進連携協議会を設置し、庁内関係部局をはじめ市町村、社会福祉協議会、徳島労働局、民生委員・児童委員協議会などとの連携によりまして、自立相談支援事業を推進するとともに、自ら相談や支援を求めることが困難な方々に対しては、アウトリーチ支援員の配置により、能動的な伴走型支援に取り組んでまいりました。 しかしながら、コロナ下におきましては、社会経済情勢が大きく変化し、経済的要因に加え、社会的孤立が顕在化してきており、相談される方々の多様化や支援ニーズの変化をしっかりと受け止め、支援につなげる必要がございます。 そこで、新たな官民連携支援ネットワークとして、生活困窮者自立支援推進連携協議会の構成員に加え、公募によりまして、子ども食堂など地域の居場所づくりひとり親家庭や女性支援、ひきこもり支援などに取り組む民間団体に御参画いただき、直接支援に携わる担当者をメンバーとするプラットフォームを設置させていただきます。 このプラットフォームにおきましては、官民の担当者同士が顔の見える関係を築き、様々な現場で把握された課題や支援ニーズ、それぞれが持つノウハウや支援メニューなどの情報を共有することにより、支援が必要な全ての方々に必要な支援が行き届くよう、関係団体が一体となり、取組を推進してまいります。 加えて、プラットフォームでの連携した取組をさらなる支援につなげるため、民間団体が新たにチャレンジする活動の拡大や強化、また他団体との連携した取組などに対し助成を行いまして、民間による支援の輪をより一層広げてまいります。 これらの取組を強力に進め、支援を必要とするお一人お一人に寄り添ったきめ細やかな取組を推進し、誰一人取り残すことのない地域共生社会が実現できるよう、しっかりと取り組んでまいります。   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) 我が国は、世界と比べても多くの子供と若者が自殺で亡くなってしまう国です。また、虐待やいじめなどにより、命は危険にさらされ、自尊心を潰されています。また、子供の七人に一人が貧困状況にあると言われ、それにより夢をかなえる機会を失い、それがさらに連鎖し続ける、このどうしようもない社会構造から抜け出せない子供がいるのが現状です。 そんな現状において、子供を産み育てようと皆さんは思いますか。大人が、何かあったとき責任が取れない、また、子供の声がうるさいと、子供たちから居場所を奪っていく国や地域で、子供を産み育てようと思いますか。 後ほどお話ししますが、高井市長と取り組んでいる子供の居場所づくり、子供を地域で見守り育てる、こんなことは当たり前なんですが、子育て支援の体制に向けて、地域みんなで全体で取り組んでいく、理解し協力し取り組んでいく必要があります。また、本気で少子化対策をしたいなら、ニンジンをぶら下げる話ばかりでなく、まずは親も子供も、生まれてきてくれてありがとう、生まれてよかったという原点に立ち返った施策の議論をしていきたいと思います。 親と子供の支援は、誰かがやってくれるではなくて、全ての人が、自分にできることはないかという当事者意識を持って、みんなで取り組んでいきたいんです。どうかよろしくお願いいたします。 次に、先ほど知事からございました診療報酬の改定に伴う窓口の負担についてですが、これは国の制度だから仕方ないと半ば諦めていましたが、先ほど知事の答弁をいただいて、本当に驚きました。モデルケース的なものではございますが、地方は地方でしっかりと県民に寄り添う姿勢を見せていただいたことは、御答弁いただいた内容以上に、子育て世代にとって大きな安心感につながるものと思います。ありがとうございます。 知事が答弁の中でおっしゃってくれたように、今後も全国知事会などを通じて国に訴えてほしいと思いますし、私たち議員も議会を通じてしっかりと国へ地域の現状を訴えていかなければいけません。よろしくお願いいたします。 それでは、次の質問に移ります。 コロナ禍により、大きな影響を受けた分野の一つに、観光があります。二〇一九年に宿泊者数で約十三万人だった県内の外国人観光客数は、ほとんどゼロになってしまいました。 もともとインバウンドにも力を入れていた私の地元にし阿波地域は、世界農業遺産をはじめ、観光庁認定の観光圏、農林水産省認定の食と農の景勝地、最近はSAVOR JAPANというそうですが、このトリプル認定を受けた日本で唯一の地域です。コロナ禍で観光客が減っている中にあっても、地元の人たちはこれまで希望を持って、まちおこしや地域を未来へとつないでいく活動を続けてまいりました。 そんな中の一つに、南議長の地元つるぎ町や私の地元祖谷を中心とした世界農業遺産認定地の急傾斜地の畑で作るシコクビエなどをはじめとした雑穀があります。今日も議長もここにバッジをつけてくれていますが、この雑穀ですが、食物繊維、ミネラル、ビタミンなどの栄養価も高く、いわゆるスーパーフードとしても需要が高まっています。 私の地元では、同世代の父親たちが中心となりつくった祖谷雑穀組合の方々が、先人から受け継がれてきた土地や伝統文化を次につなげるべく、急傾斜地の畑で雑穀やソバの栽培に取り組んでくれています。これまでの取組では、シコクビエを使った新商品の開発や、地元の食堂でジビエと合わせたメニューの提供をしたり、地元小学校と農業体験を行うなど、その機運を高めているところです。 先日は、西部県民局にて、関係者の方と県と私で意見交換をさせていただきました。その中でも話題となりましたが、後継者の問題や、急傾斜地における農業の厳しさなど、課題も見えてきたところでもあります。 今後、長かったコロナ禍が終わり、また世界中から多くの観光客がにし阿波に来てくれて、にし阿波の魅力を届けてくれると感じています。コロナ下で高まった地方回帰の機運をつかみ、にし阿波を身近に感じてもらうためには、SNSなどでの情報発信をしっかり行い、新たなニーズの掘り起こしにも努めていく必要があると思います。 そこで、今後、にし阿波の宝でもあります世界農業遺産を活用し、にし阿波地域の活性化にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、今年九月一日に県西部で行われる県総合防災訓練についてお伺いいたします。 昨夜も県南で大きな地震がありましたが、近年、全国において発生している豪雨災害のみならず、本県では、四十年以内に九〇%の確率で起こるとされる南海トラフ巨大地震や、内陸部での甚大な被害が予想される中央構造線活断層地震の発生が懸念されるところであり、大規模災害への備えは喫緊の重要課題です。 こうした大規模災害が一たび発生すると、津波や揺れにより、県下全域で大きな被害の発生が想定されておりますが、私の地元である三好市においても、山間部が被災した場合に避難路が塞がれ、避難施設にたどり着けないのではないか、集落自体が孤立してしまうのではないか、必要な物資が届かないのではないかなどを、心配する声が多く聞かれております。 こうした事態に備えるには、災害発生時の迅速な初動・応急・復旧対応を実施するために、市町村や自衛隊、警察、消防、さらに民間事業者などの連携を図ることはもちろんでありますが、それに加え、自主防災組織や消防団など、地域の事情をよく知っている方々と顔の見える関係を構築し、訓練を繰り返すことにより、県民の不安を払拭することも極めて重要だと考えます。 さらに、大規模災害となれば、避難所での生活が長期化することも予想されますし、避難所で避難生活を送っている方だけでなく、家屋に被害がありながら在宅避難を余儀なくされる方も数多く発生することも考えられます。このような被災者に対しては、これから先どうやって暮らしていくのか、住まいはどうなるのかなどの相談に応じるため、被災者一人一人の実情に寄り添った支援を行うための窓口設置訓練のようなものも必要ではないでしょうか。 当然、こうした支援を行うには、かなりの人員が必要となりますが、その際にはDXなどの活用も考えてみてはいかがでしょうか。折しも、本議会には、徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例の改正が提案され、震災対策は誰一人取り残さないよう実施されなければならないと盛り込むとされています。 そこで、お伺いいたします。 南海トラフ巨大地震中央構造線活断層地震を見据え、誰一人取り残さない震災対策に向けて、今年度の県総合防災訓練にどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 今年度の県総合防災訓練にどのように取り組むのかとの御質問をいただいております。 また、ただいま議員からもお話がございましたように、本日の零時五十一分、阿南市で震度四、全県下でも震度三などを観測した地震があり、直ちに危機管理環境部のほうにも指示をさせていただき、今日の八時現在での状況でありますが、この段階では人的、物的な被害はない、まずは御報告を申し上げたいと存じます。 近年の頻発化、激甚化する豪雨災害や切迫する南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模災害の発生時におきまして、県民の生命、身体、財産を守り抜くためには、関係機関との連携強化、また被災者のニーズに沿ったきめ細やかな支援が極めて重要であると、このように認識いたしております。 そこで、今年度の県総合防災訓練は、来る九月一日、「誰一人取り残さない支援体制構築」、こちらをテーマといたしまして、中央構造線活断層地震の発生を想定し、広域防災拠点である西部健康防災公園を主会場に、過去最大級の百五十を超える関係団体が参加する実動訓練として実施させていただきます。 具体的に少し申し上げてまいりますと、まず広域物資輸送訓練として、徳島阿波おどり空港に到着した支援物資を山間部の孤立集落に迅速に届けるため、JAL、イオン、県トラック協会との連携による西部健康防災公園までのトラック輸送、陸上自衛隊による山間部の場外離着陸場までのヘリコプター輸送、ラストワンマイルの課題を克服する孤立集落までのドローンによる輸送、地元に精通し地域の共助を担っていただいております自主防災組織や消防団によります物資の受け取りや被災世帯への配布、こうした一連の流れを実施検証することといたしております。 また、未来志向避難所運営訓練といたしまして、被災者の早期生活再建を支援するため、専門的な知識とノウハウを持っておられます社会福祉協議会や弁護士などの士業と連携いたしまして、被災者からの個々の被災状況やニーズをお聞き取りいたしまして、適切な支援制度、また個別の支援プラン、こちらを提示する災害ケースマネジメントを取り入れました初めての訓練を実施いたすところであります。 さらに、DXの活用として、全国に先駆け、地方公共団体情報システム機構、いわゆるJ-LIS--私が代表者会議の議長を務めておりますが--との共同によりまして、避難所運営における事務の効率化や被災者の迅速な支援制度の手続を可能とするクラウド型被災者支援システムを試行的に運用させていただきまして、マイナンバーカード、こちらを利用した避難所の入退所管理、罹災証明のオンライン申請やコンビニ交付のデモンストレーションなど、効果検証を行ってまいります。 今後とも、市町村や防災関係機関、民間事業者はもとよりのこと、地域防災の担い手であります自主防災組織や消防団などとのネットワークのさらなる強化を図りますとともに、被災者お一人お一人に寄り添う、誰一人取り残さない震災対策を講じることにより、助かる命を助け、助かった命をつなぐ、死者ゼロ実現に全力を傾注いたしてまいります。   (勝野副知事登壇) ◎副知事(勝野美江君) 世界農業遺産を活用したにし阿波地域の活性化についての御質問をいただきました。 にし阿波地域は、桃源郷のような別世界と称された日本の原風景が今なお残る地域であり、議員おっしゃったように、観光圏、SAVOR JAPAN、そして世界農業遺産トリプル認定を受けた日本で唯一の地域というふうに認識しております。 特に、世界農業遺産の認定を受けましたにし阿波の傾斜地農耕システムは、農業そのものが困難な地域において、雑穀--私も食べさせていただきましたが、とてもおいしく頂戴しております--これを基幹作物として人々の暮らしを支えてきた世界に類を見ない農法であり、この農法により生み出される美しい景観や食文化、農文化は人々を引きつけ、観光誘客や交流人口の拡大にも寄与することが強く期待されております。 一方、新型コロナウイルス感染症の長期化は、にし阿波地域におきましても、観光をはじめ様々な分野で大きな影響を受けているところです。 こうした状況の中、国においては、外国人観光客の受入れの再開をはじめ、アフターコロナを見据えた社会経済活動の回復に向けた動きを本格化しつつあります。 そこで、こうした動きを、にし阿波地域への新たな人の流れを呼び込む絶好の機会と捉え、観光コンテンツのより一層の充実を図ってまいります。 具体的には、世界農業遺産を見て体感できる場所として新たに選定する、仮称ですが、にし阿波GIAHSポイント、それから農林漁家民宿での郷土料理の提供、傾斜地での農作業体験、そういったことを、にし阿波ならではの歴史、風土にしまして、着地型旅行商品や滞在プログラムに織り込んでまいります。 また、多くの観光地の中からにし阿波地域を選んでいただくためには、議員お話しのとおり、国内外に向けた情報発信の強化が極めて重要であると認識しております。にし阿波が誇る観光コンテンツの発信に加えまして、西部で外国人地域おこし協力隊員を配置しております--カナダ人の方なんですけども、こういった方々が国際的な目線で見たにし阿波の魅力をタイムリーにSNSで発信するなど、この地域が人々を一層引きつけられるよう、地域を挙げた取組を展開いたします。 今後とも、地域の皆様方と関係機関が一体となって、世界農業遺産をはじめとする地域の貴重な資源を最大限活用しまして、日本国中、それから世界からの観光誘客はもとより、移住やワーケーションの推進による交流人口の拡大を図りまして、にし阿波地域のさらなる活性化を実現すべく、しっかりと取り組んでまいります。   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) それぞれ力強い御答弁をいただきました。ありがとうございます。 徳島県は主に、人口が密集している東部、そして海の資源に恵まれた南部、そして山と川の豊かな西部の三つに主に部類されています。私の住む西部地域、通称にし阿波の人口は約七万二千人、徳島県人口全体の約一〇%ですが、面積にすると徳島県の三分の一を占める地域です。その中山間地域を中心とした広い地域の中には、様々な伝統文化、風景と、そこに営みがあり、そんな中で、先ほどお話ししたように、地域を次の世代へ残すべく一生懸命頑張っている人たちがおられます。 そして、最近は、新しい価値観を取り込んで頑張ってくれる若い人たちも出てきました。自然がつくり出した雄大な絶景や、古くは縄文時代から続く歴史と、そこから生まれた伝統文化は、何事にも代え難い宝です。 我が会派の杉本先生も、過疎と何とかにはつける薬がないとよく言っていますが、同じ過疎地域の私も分かります。私も大変厳しい状況にあると感じております。 しかし、人が減っても、この失いたくない宝物を後世へ何とか残していく取組を、地元の人たちと私も一つ一つ取り組んでいきますので、どうか県も一緒になって、これまで以上に現場目線でにし阿波を盛り上げていってください。 また、にし阿波の中山間地域では、台風などの大雨のたびに避難をしている人たちがまだまだ多く、地滑りなどの危険箇所を幾つも抱えています。これまで、南海トラフ巨大地震では、海側の想定は多くされていますが、こういった中山間地域の想定はまだ進んでいないのが現状です。 そんな中、三好市西祖谷山村有瀬集落では、国の山地砂防と一緒になって、地区防災計画がつくられました。これは、住民目線で、地域の事情に合った避難計画などが示されたもので、自分たちの住んでいる地域を改めて確認できるものとなっています。こういった計画をつくることで、自助の精神が根づき、共助、公助がうまく回っていくものと思います。 明日起こってもおかしくない巨大地震です。県民の皆様には、いま一度、住んでいる自分たちの地域を見渡し、自分の命を守ることから考えてみてください。 また、一つでも多くの危険箇所への対応と、命の道をはじめとしたインフラ整備を引き続いて県にはお願いするとともに、災害時に必ず必要とされる建設業とその人材を守る取組についても、どうかよろしくお願いいたします。 それでは、次の質問に移ります。 二〇二五年カーボンニュートラルに向けては、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの最大限導入をはじめとする地域の脱炭素化を積極的に進める必要があります。 我が国では、地域の脱炭素化を促進するため、地球温暖化対策推進法が昨年五月に改正され、環境保全に配慮しつつ、地域の課題解決に貢献し、地域の利益となる再エネ事業の立地を進めるため、市町村が再生可能エネルギーの促進区域を設定することができるようになりました。今後、地域主導で脱炭素化を加速していくためには、地元の意向に合った再エネ事業の立地を進める必要があり、この促進区域の設定が有効なツールとなると考えています。 こうした中、三好市は、昨年十二月に、二〇五〇年までに市内で排出される二酸化炭素CO2の実質ゼロを目指すゼロカーボンシティを宣言し、高井市長を先頭に、脱炭素化に取り組んでいます。 本県は、過疎化が進み、集落としての機能の維持が困難となっている地区も少なくない中、三好市では、廃校を活用したワーケーション施設として整備されたウマバ・スクールコテージを拠点として、地域の再生、活性化を目指すとともに、地域マイクログリッド構想も見据えた環境配慮型のワーケーションモデル創出の取組が始まりました。三好市で芽生え始めたこのような事例を活用して、地域の脱炭素化の促進につなげていくことが重要であると考えます。 そこで、お伺いいたします。 地域の脱炭素化を加速するため、県が策定する環境配慮基準に基づく促進区域の設定について、今後、市町村をどのように支援していくのか、お伺いいたします。 次に、本年、創立百周年を迎える県立池田高校は、四国の中央に位置するとともに、増富県議たち野球部の活躍などから、三好市のシンボル的な存在となっており、まさに地域の活性化の核であると考えています。 私は、かねてより、総合寄宿舎三好寮の受入体制の充実や安全・安心な生徒の生活環境の整備について、増富県議にも御協力をいただき、様々提案してまいりました。本年一月に、池田高校のPTA会長や校長先生が、三好寮の増設について知事へ要望書を提出した際には、私も同席し、知事からは、予算の確保も含めしっかりと取り組みたいと、力強いお言葉をいただいたところでありました。 その後、二月補正での調査費の提案に続き、この六月補正においても、寄宿舎増設の設計予算が提出されております。 また、今回、高井市長には大きな御理解と御協力をいただき、市長自ら、住民説明会の場で積極的に御説明いただき、さきの三好市議会開会日には、高井市長から、三好寮の建設地として旧サンライズビル跡地を選定したことが報告されました。この旧サンライズビル跡地というのは、駅の近くにありまして、三好市ではすごく立地のいいところです。これらは、県と市が、寄宿舎を必要としている子供たちの目線に立ち、新たな県市協調で進むことができたからこそ実現に近づいたものと思います。 また、地域住民は、安全で安心な施設であることはもとより、どのような魅力的な施設になるのかと期待もしております。私としても、池田町の中心に若者が集う施設が造られることは、将来の地域のにぎわいづくりにおいても大きく資すると考えます。 そこで、お伺いいたします。 三好寮の増設に当たってどのように整備しようとしているのか、また、増設を契機に、知事のもう一つのふるさと徳島の池田のにぎわいづくりにつなげてほしいと考えています。御所見をお伺いして、まとめに入ります。   (谷本政策監補兼危機管理環境部長登壇) ◎政策監補兼危機管理環境部長(谷本悦久君) 県が策定する環境配慮基準に基づく促進区域の設定について、今後、市町村をどのように支援していくのかとの御質問でございますが、昨年、英国のグラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議COP26では、産業革命前との比較で気温上昇を一・五度に抑える努力の追求を明記するグラスゴー気候協定が採択されました。 また、本年四月に、気候変動に関する政府間パネルIPCCが公表した第三作業部会第六次評価報告書によりますと、気温上昇を一・五度に抑えるためには、温室効果ガス排出量を二〇二五年までに減少に転じさせる必要があり、脱炭素化に有効な自然エネルギーの最大限導入は待ったなしの状況であります。 本県は、昨年十二月に、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に極めて重要な二〇三〇年度までの具体的な取組とその工程を定めた徳島県版脱炭素ロードマップを全国に先駆けて策定いたしました。このロードマップの重点施策に盛り込まれた自然エネルギー最大限導入を推進するに当たり、市町村が再エネ事業の誘致を進める上で必要となる促進区域の設定の羅針盤として、県環境配慮基準の本年七月策定を目指し、取り組んでいるところでございます。 議員お話しのとおり、地域の脱炭素化を加速するためには、三好市におけるモデル事業をはじめ、県内で再エネ事業の導入に取り組んでいるエリアから、地域の活性化や雇用の創出につながる促進区域の設定を着実に進めていくことが重要であると認識しております。 そこで、市町村の促進区域設定を支援するため、促進区域となり得るエリア、また考慮すべきエリア及び除外エリアを地図上に表示する促進区域環境配慮基準データマップを九月末までに策定いたします。 また、地域の脱炭素化に取り組む市町村に、自然エネルギー事業に豊富な経験や専門知識を有する県脱炭素社会推進専門員を派遣し、地域の再エネポテンシャルや地域へ再エネ事業がもたらすメリットなどについて、技術的助言を行ってまいります。 さらに、促進区域設定には関係者の合意形成が不可欠であることから、地元住民、有識者、行政機関などの関係者で構成する協議会に県も積極的に参加し、円滑に合意がなされるよう市町村を支援してまいります。 今後とも、経済と環境の好循環につながる自然エネルギー最大限導入に向け、市町村の促進区域設定を支援し、県版脱炭素ロードマップの二〇三〇年度目標達成にしっかりと取り組んでまいります。   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 三好寮の増設に当たって、その整備内容と、増設を契機に三好市のにぎわいづくりにつなげていくべきではないかとの御質問でございますが、議員お話しのとおり、三好市池田町は四国の中心に位置し、四国内はもとより、中国地方との交通の結節点でもあることから、今後、さらなる発展の可能性を有している地域であると認識しております。 コロナ下において、地方移住のニーズが高まる中、地方の高校への進学者も増えており、少子化が進む本県では、全国から多様な生徒を募集し、新たな若者の流れを生み出すことが重要であります。 本年度、創立百周年を迎える池田高校では、運動部活動の活躍や地域の課題解決に取り組む探究科の活動により、近年、県外から多くの生徒が集い、若者を起点とした新たな人流が創出されつつあります。 こうした中、生徒を受け入れる総合寄宿舎三好寮は、県外生徒の増加により、満室状態が続いていることから、新たな寮の増設を決定し、このたびの六月議会において設計予算を提案させていただいたところです。 増設する三好寮は、二人部屋から個室仕様へ、通信環境もWi-Fiを整備するなど、安全・安心で快適な生活環境を提供するとともに、食事面も含め、親元を離れ生活する生徒の健全な育成を全面的にサポートしてまいります。 さらには、三好市から、寮の建築用地として、池田高校と阿波池田駅の動線上にあり利便性の高い市有地、旧サンライズビル跡地を御提供いただけることや、図書館や公民館の機能を持つ地域の皆様に御利用いただく施設と寮を合築していただきたい旨の御提案をいただきました。 今後、県市協調の下、一階に三好市の交流施設を、上階には寮を配置するなど、地域住民と生徒が交流しやすい環境を創出し、全国的にも類を見ない、地域との交流拠点となる新しい寮を整備してまいります。 また、県内をはじめ全国から若者が集い、共に学び暮らすこととなる寮の整備は、地元三好市における新たなにぎわいの創出につながるとともに、例えば、現在池田高校で行っている大学との連携講座を生徒と地域の皆様共通の池高開放講座として、合築する三好市の交流施設で開催するなど、寮そのものを地域活性化の処方箋とする新たな発想の下、三好寮の増設を進めてまいります。 県教育委員会といたしましては、引き続き、池田高校の魅力化と特色化を進めるとともに、三好市はじめ地域の皆様の御理解と御協力をいただきながら三好寮の増設に取り組み、高校と寮を核とした地域のにぎわいづくりと活性化にしっかりとつなげてまいります。   (井下議員登壇) ◆三番(井下泰憲君) それぞれ楽しみな御答弁をいただいたように思います。 今の二つの質問は、三好市と県の連携がなければ前に進まないものです。 昨年七月に高井市長が誕生し、これまで抱えてきた多くの課題が大きく前進を始めました。そんな中で、県と市が連携することでスムーズな課題解決につながっていると、私も肌で感じています。 今回、知事と市長の連携により、一気に前に進み始めた寄宿舎ですが、寄宿舎と市施設の併用については、先ほど教育長からもありましたが、全国的に見てもまれに見る、県と市の枠組みを超えたものであり、全国から視察に来ていただけるような革新的な取組になることを期待するとともに、私や高井市長の目指す池田町の活性化に必ずつながるものと確信しております。 また、高校の魅力化や人材育成とその確保にも将来的に大きく寄与するものと思いますし、何より、地域に子供たちの居場所ができることは、大きな意味を持っています。 既に高校生からはメールが来まして、洗濯スペースの充実やトレーニングルームなどの設備の充実、食事についても、アスリート食と一般食をすみ分けてくれなどの要望もたくさん届いていますので、また詳しくは委員会でお願いします。 子供たちの存在は、地域への経済効果などでは測れません。そこに子供たちが存在しているだけでちゃんと意味を持っているし、希望があります。 まだゴールは先ですが、子供たちを思い、これまで尽力してくれた池高PTAの皆様、林前校長先生をはじめ学校関係者の皆様、そして増富県議には、心より感謝いたします。 また、脱炭素化に向けた市町村支援についても、三好市だけでなく、今後、県全体で取り組んでいくものです。原県議も、地元鳴門市と協力して、促進区域に名乗りを上げているそうですので、県が先導し、各市町村の脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいただくとともに、観光地などにおけるEV充電設備などにも御支援をいただきたいと思いますし、民間における脱炭素化の取組についても、さらなる御支援をお願いいたします。 三好市では、今の取組以外にも、合併浄化槽の普及、防災・減災対策事業や林業、移住促進事業など様々、県と連携し、前に進んでいるものがあります。特に、浄化槽におけるPFIの取組などは、全国に先駆けたものとなっており、全国から視察に来ていただけるような、民間業者も頑張っておりますので、どうか御支援を今後ともお願いいたします。知事には、市町村と一緒になって、これからも様々な分野で積極果敢にチャレンジをお願い申し上げます。 最後になりますが、県議会議員という仕事は実にやりがいのある仕事だと私は感じています。様々な計画を策定したり、今日の話の中にもありましたが、市町村との連携であったりと、少し悔しいのは、県民の皆様になかなか伝わりづらい地味な仕事が多いということです。しかし、地方が国をリードする時代にあって、森も木も両方見える県の仕事は、国と市町村との間で大きな役割を担っています。 少し話は変わりますが、私が大学を卒業した二十年前、大卒の初任給は約二十万円でした。令和三年度の大卒の初任給は約二十一万円、ほぼ横ばいです。 それに比べて、お隣韓国は三十万円、アメリカは四十八万円、一番高いスイスに至っては日本の三倍以上の七十三万円という現状です。また、実質賃金の推移で見ると、日本は独り負けという状態です。 今、この安い日本の賃金を狙って、中国や台湾などの外国資本の日本進出が相次いでいます。一昔前との逆転現象が起こっています。一見、よいことのように感じますが、手放しで喜んではいられません。 一昔前の状況と大きく違うのは、日本には人がいなくなるという点です。そうすれば、どんなことが考えられるか。日本に進出した外国資本は、使う日本人がいなくなれば、自国から労働力を連れてくるでしょう。それに伴い、地域の経済は外国人を中心に回っていくことになります。そうなれば、土地の買収や技術力のある中小企業の買収なども考えられます。 実際、北海道では既に、三千ヘクタールもの土地が外国資本に買収され、ニセコ町や倶知安町では、リゾート地の九〇%がチャイナマネーによって買われているということを、友人である倶知安町議が教えてくれました。 また、銀行法の改正により、日本国内で外国資本が銀行業務を行えるようになりました。銀行の買収も危惧されています。そうなれば、簡単に日本の財産が海外へ流れてしまうおそれがあるのです。 では、これらのことはどこから始まるか。それは間違いなく地方です。地方の安くなった土地や弱くなった中小企業や地方銀行が狙われています。ウクライナのような目に見える侵略ではなくて、サイレントインベーションと言われる見えない侵略がもう既に始まっています。 私たち地方の政治家は、もっと危機感を持ち、スピード感を持った様々な対応が迫られています。くだらない足の引っ張り合いやパフォーマンスをやっている場合ではありません。 八十年前、我々の先人は、日本の未来を思い、命がけで戦ってくれました。今、私たちも、徳島の未来のためにもっと頑張らなければいけません。 少し余談になりますが、先日、県内に住む小学生の子供を持つお母さんが、子供のマスク着用について涙ながらに話してくれました。だからじゃないですが、別のリスクが指摘されている今、学校等におけるマスクの着用についても、個別の事情を除き、原則中止すべきです。 また、どう考えてもリスクのほうが高くなった子供へのコロナワクチン接種についても同様に、健康な子供が接種する必要はないと私は思います。歯がゆいことに、今の感染症法上、二類の間はなかなか国が動いてくれませんので、そう簡単に動けないのかもしれませんが、今の状況で、子供たちが自らの判断で決めることは到底無理です。どうか子供たちを守る判断をみんなで協力してしていきましょう。 私の仕事は、四年で一旦終わります。来年この場所にいる保証もありません。重ねてになりますが、知事をはじめ理事者の皆様は、何よりも徳島県の子供たちに寄り添った県政運営を行ってください。全ての大人が子供たちに、生まれてきてくれてありがとうと心から言える徳島県の実現を目指して、これからも共に頑張っていきましょう。 言いたいことはたくさんありますが、続きは、同志であり私の親戚の立川県議にお願いし、私からの一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十時五十九分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午前十一時二十二分開議      出席議員計三十四名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     八  番     東  条  恭  子 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十 番     嘉  見  博  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二番・立川了大君。   (立川議員登壇) ◆二番(立川了大君) おはようございます。県議会自由民主党の立川了大でございます。 まず初めに、コロナ禍も三年目に入り、新型コロナとはいかなるウイルスなのか、様々なエビデンスを基に、おおよその正体、対応方法も分かってきたのではないでしょうか。しかしながら、今もなお、感染のリスクに立ち向かい、県民の命と健康、そして社会生活を守るため、それぞれの現場で昼夜を問わず献身的な取組をしていただいている最前線の皆様の御努力に対し、深く敬意と感謝の意を表します。 また、このたび今任期最後の質問の機会をいただき、会派の皆様はじめ先輩議員の皆様に感謝を申し上げますとともに、本会議場やテレビなどで傍聴してくださっている皆様にも心より感謝を申し上げます。 情熱を持って質問してまいりますので、知事をはじめ理事者の皆様におかれましては、県民の皆様に明るい徳島の未来を思い描いていただける御答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 まず初めに、産業人材の育成についてお伺いいたします。 本県が持続的な発展を継続していくためには、非正規雇用労働者をはじめ女性や若者、中高年齢者、障がい者、就職やキャリアアップに特別な支援を要する方といった多様な人々の労働生産性をこれまで以上に高めるとともに、新たな生活様式の中で成長が見込まれる分野への適切な投資と人材の供給、本県の地域経済、雇用を支えてきたものづくり産業に関わる人材の育成や、技術、技能の継承などについて、より一層工夫を凝らした取組が求められております。 こうした中、先般、政府より発表された骨太の方針では、デジタル化や脱炭素化という大きな変革の波の中、人口減少に伴う労働力不足にも直面する我が国において、創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力は人であるとされ、働く人への分配を強化する賃上げを推進するとともに、職業訓練や生涯教育などへの投資により、人的資本の蓄積を加速させる人への投資が、新しい資本主義に向けた重点分野として取り上げられたところであり、今後ますます、DX化をはじめ新たな研究、商品開発を担う人材への投資が重要になってくると考えております。 そこで、お伺いいたします。 今後の産業人材育成への取組をより一層強化すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、県内事業者への経営支援についてお伺いいたします。 これまでコロナ禍において、新型コロナウイルス感染症対応資金、いわゆるゼロゼロ資金や融資連動型給付金などの支援施策により、多くの事業者が、ひとまずの資金繰りにめどがつけられ、事業の継続を図ることができておりました。 しかしながら、感染者数が減少傾向にあるとはいえ、いまだ新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、飲食、宿泊、旅行業界をはじめ多くの事業者の業績がコロナ以前の状態に戻っていないのが現状でございます。その上、昨今の急激な原油・原材料価格高騰などを受け、収益が圧迫されるなどし、厳しい経営状況となっている事業者も多いと認識しております。 そのような中、ゼロゼロ資金の融資を受ける際に多くの事業者が設定していた三年間の据置期間が終わり、本年度から元本返済が本格化するとのことでございます。また、借入れから三年間の利子補給期間も終了することもあって、事業者からは、債務返済への不安が高まっております。 円安や原油・原材料価格高騰についても、早期に収まる状況ではなく、今後も厳しい経営環境が続くのではないかとの声をお聞きしておる次第でございます。 そこで、お伺いいたします。 厳しい経営状況に直面している県内事業者に対し、積極的な経営支援策を打っていくべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、県産食材の販売促進についてお伺いいたします。 長引くコロナ禍の中、私たちの生活は、イベント自粛や移動制限などにより、大きなストレスと向き合う生活を余儀なくされております。農畜水産業の皆様は、外食需要の減退により、売上げを大きく減少させております。 このような中、コロナ感染状況の改善を踏まえ、イベントの規模要件の緩和や、六月十日からの外国人観光客受入れの再開など、社会経済活動が活発化する大きな兆しが見えてきたところでございます。県内農林水産業にとっては、外食需要が回復する待ちに待った局面に入ろうとしております。 まさに今、徳島の食は、アフターコロナを見据え、反転攻勢を仕掛けるときが訪れております。そして、その仕掛けに当たっては、二〇二五年に開催される大阪・関西万博を視野に入れた、徳島の豊かな食の魅力の一体的かつ効果的な発信も不可欠ではないでしょうか。 大阪・関西万博は、本県が誇る食に、伝統文化、観光資源を組み合わせて、本県への誘客拡大を図り、徳島ファンを創出することにより、世界を相手に大きく飛躍できる千載一遇のチャンスでもあります。 そこで、お伺いいたします。 二〇二五年大阪・関西万博を常に見据えながら、徳島の誇る食の魅力を戦略的かつ積極的に発信し、販売促進を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、瀬戸内海の環境保全についてお伺いいたします。 瀬戸内海は、世界においても比類のない美しさを誇る景勝地であり、ここ徳島県においては、阿南市の蒲生田岬及び伊島を結ぶ直線より北の紀伊水道、播磨灘に及び、貴重な漁業資源の宝庫として、私たちは恩恵を享受してまいりました。高度経済成長期には、工場排水や生活排水による水質の悪化が深刻でありましたが、排水規制により、今では水質は改善されてきております。 一方で、漁業関係者から、海の栄養分の不足による水産資源の減少という課題があるとお聞きしております。現在のきれいな水環境は維持しつつ、多様な生物が生育できる豊かな環境を目指していく必要があると考えております。加えて、我々には、こうした環境を次世代の人々に継承する責務がございます。 そこで、一つ事例を御紹介させていただきたいのですが、私の地元藍住町の正法寺川では、過去から問題となっていた生活排水による水質汚濁を解決するため、流域住民と行政の連携の下、水環境の改善を図る施策を進めた結果、水質が改善され、今ではニホンウナギやミナミメダカなど多様な動植物が生息する場となっております。行政だけでなく住民の理解と協力を得られ、十分な連携が図られたからこそ、こうした結果につながったと認識しております。 そこで、お伺いいたします。 県ではこのたび、第九次総量削減計画を策定するとお聞きしておりますが、住民との連携を図りながら、現在の瀬戸内海の良好な水質を維持しつつ、多様な生物が生育し、自然の恵みを享受できる環境をどのように次世代へ継承していくのか、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 立川議員の御質問にお答えさせていただきます。 産業人材育成の取組をより一層強化すべきであるとの御提言をいただいております。 本県ではこれまで、県立テクノスクールに機械加工や木工技術など多様な訓練科を設置し、多くの若手技能技術者を輩出するとともに、離職者の技能習得や資格取得などを支援する委託訓練、企業ニーズにきめ細やかに応じるオーダーメイド型の在職者訓練など、就労前の人材から在職者まで幅広い人材を対象に、能力開発や技能・技術向上を支援いたしてまいったところであります。 一方、新型コロナウイルス感染症や原油・原材料価格高騰など厳しい経営環境に直面している県内企業にとりまして、事業活動を維持し、生産性の向上や付加価値の創造などにより、さらなる事業展開につなげていくためには、その原動力となる人を育成し、即戦力の産業人材として活躍していただくことが重要であると、このように認識いたしております。 そこで、こうした時代の要請にお応えすべく、県立テクノスクールにおきまして、技能五輪全国大会をはじめとする各種技術競技大会への参加支援、ローカル5G環境、こちらを活用した電気設備やネットワーク通信、5G無線技術にも対応することのできる5Gオールインワン人材の育成、熟練技能士の視線あるいは手の動きを体感することのできるVR機器を活用いたしました高度な技術を習得する訓練などにより、若手技能者の養成や技能向上を図っているところであります。 また、私が館長を務めておりますとくしま経営塾平成長久館におきましては、DXあるいはGX、その取組を促進するため、インターネット上の三次元仮想交流空間メタバースの構築につながる最先端のVR・AR技術について学ぶ講座、EV用電池関連技術や二酸化炭素排出量の削減につながる高機能新素材の活用について学ぶセミナーなど、三十を超える無料講座を開講し、新たなビジネス創出や新分野の事業展開を支える優れた企業内人材の育成を支援いたすところであります。 さらに、コロナ禍で中断を余儀なくされておりましたドイツ・ニーダーザクセン州との産業人材育成交流を、友好交流提携十五周年に当たる本年秋に実施し、国際感覚を持ち新たなことにも果敢に挑戦する若手人材の育成にもしっかりと取り組んでまいります。 今後とも、国や関係団体と連携を図りながら、県内経済の成長の原動力である産業人材の育成に全力を傾注いたしてまいります。   (瀬尾政策監登壇) ◎政策監(瀬尾守君) 瀬戸内海の良好な環境をどのように次世代へ継承していくのかとの御質問でございます。 瀬戸内海は、かつては瀕死の海と呼ばれるほどに水質汚濁が進んでおりましたが、本県はじめ沿岸自治体におきましては、昭和五十年代から、産業排水、生活排水等から排出される汚濁物質の削減など、環境保全に取り組んだ結果、水質が改善され、特に本県沿岸におきましては、国が定める環境基準をおおむね達成するなど、良好な状態が保たれております。 一方、近年におきましては、窒素、リンといった栄養塩類の減少が生物の種類や生息数に影響を与えているとも言われており、水質が良好かつ多様な生物が生息できる豊かな海、いわゆる里海の実現と、その里海の次世代への継承が課題となっております。 そこで、本年一月に示されました国の第九次総量削減基本方針に基づき、本県では、豊かな徳島の里海の実現を見据え、汚濁物質の削減による水質保全、生物多様性・生産性の確保に向けた水環境の改善、普及啓発・人材育成の推進といった三つの戦略を柱とした県の第九次総量削減計画を本年十月に策定できるよう、鋭意作業を進めております。 このうち、普及啓発・人材育成につきましては、平成三十年より、水環境や里海に関する知識を持つ里海創生リーダーを育成し、生物の種類と生息数から海の水環境と生物多様性を調べる海岸生物調査や、県主催イベントにおける身近な水の水質検査など、地域住民との協働による普及啓発活動の担い手として御活躍をいただいております。 今後は、より多くの水環境教育の場を提供するため、この里海創生リーダーのさらなる育成を進めるとともに、活動の企画、広報実施などを学ぶ応用実践講座を新たに創設し、スキルアップを図ってまいります。 議員お話しの正法寺川の事例のように、きれいで豊かな水環境を次世代に継承していくためには、行政と住民や関係団体との連携による子供たちへの教育が重要と認識しております。 そこで、山から川、海までの一連の水循環を一体として捉え、子供目線の効果的な教材を里海創生リーダーと共同で作成するとともに、夏休みなどの機会を利用した体験学習や、学校、民間団体、地域のサークルなど多様な場における出前授業を実施し、次の世代へ豊かな水環境が継承できるよう努めてまいります。 今後とも、SDGsの目標十四、海洋と海洋資源の保全、持続可能な利用の達成に向け、まずは徳島から、美しく豊かな徳島の里海を実現できるよう、関係者の皆様と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。   (梅田商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(梅田尚志君) 厳しい経営状況に直面している県内事業者に対し、積極的な経営支援策を打っていくべきとの御質問をいただいております。 県におきましては、これまで、令和二年五月、当初三年間無利子、保証料ゼロの新型コロナウイルス感染症対応資金、いわゆるゼロゼロ資金はじめ、ゼロゼロ資金受付終了後には、事業者の売上げ回復に向け、金融機関が継続的なサポートを行う伴走支援型経営改善資金、事業継続が困難な事業者を対象に、再生計画に基づく経営活動を後押しする事業再生サポート資金など、資金ニーズに適応した融資制度により、新型コロナウイルスの影響を受けた県内事業者の皆様の資金繰りを支援してきたところでございます。 また、商工会や商工会議所、よろず支援拠点などの支援機関による経営相談や、平成長久館速効経営助っ人事業をはじめとする専門家派遣の活用により、事業者の皆様に寄り添った経営支援を進めてまいりました。 一方、長期化するコロナ禍に加え、ウクライナ情勢等による原油・原材料価格の高騰や急激な円安の進行により、県内事業者を取り巻く環境はさらに厳しさを増しており、議員お話しのとおり、今後、ゼロゼロ資金の元本返済が本格化し、利子補給期間の終了と重なることもあり、出前相談や県内企業への実態調査において、債務返済への不安の声をお聞きしているところであり、事業継続に向けた支援が必要であると認識しております。 そこで、厳しい経営状況にある事業者の皆様の資金繰りを支援するため、他の資金からの借換えを可能とする経済変動対策資金物価高騰緊急対策枠を創設し、六月一日から受付を開始いたしたところでございます。 また、去る五月三十一日に国において発足した経営力再構築伴走支援推進協議会と緊密に連携し、伴走型の支援を強化することにより、資金繰りはもとより、DX、GXの取組や事業転換、事業承継など、事業者が抱える経営課題の解決を促進してまいります。 今後とも、県と支援機関が一丸となり、県内事業者の皆様がこの難局を乗り越え、アフターコロナ、さらにその先のポストコロナ新時代に向けて持続的に成長発展していけるよう、しっかりと取り組んでまいります。   (平井農林水産部長登壇)
    農林水産部長(平井琢二君) 大阪・関西万博を常に見据えた徳島の食の魅力発信と販売促進についての御質問をいただいております。 本県におきましては、長引くコロナ禍により外食需要が減少する中にありましても、とくしまブランドを守り、県産品の販売拡大を図るため、人的ネットワークを着実に育んできたところでございます。 その一環として、本県による東京オリパラのホストタウン活動を通じ、県産野菜の品質の良さを御評価いただけるようになりました、東京・白金台にある八芳園においては、日頃から本県野菜を扱っていただきますとともに、去る五月二十三日には、日米首脳会談後の非公式夕食会におきまして、風味豊かな本県野菜を用いたメニューが提供され、県産品の魅力が世界へと発信されたところです。 このたびの栄えある食材活用は、まさに県内生産者の皆様のたゆまぬ御努力のたまものであり、また二〇二五年大阪・関西万博に向け、県としてさらに創出していくべき貴重な事例そしてレガシーであると認識しております。 そこで、経済活動が回復期に入りつつある中、議員お話しのとおり、まさに今が反転攻勢のときであり、大阪・関西万博をしっかりと視野に捉えた戦略的な発信と工夫ある販売促進が不可欠であると考えております。 具体策として、まず万博開催地大阪において、新たな情報発信のキックオフを図ることとし、来る七月五日、先般のプロ野球セ・パ交流戦において首位打者を獲得し、昨年のパ・リーグ本塁打王でもある本県出身の杉本裕太郎選手が所属するオリックス・バファローズの本拠地京セラドーム大阪での公式戦を舞台に、すだちの提供や阿波おどりの実演など、徳島の魅力をリアルにお届けする、飯泉知事によりますトップセールスを三年ぶりに実施いたします。 また、万博に向けた徳島への人流創出として、フードツーリズムにより、県外からのリピーターや徳島ファンを積極的に獲得し、県産品の販売促進につなげるため、新たに、食べに行きたい徳島キャンペーンを実施してまいります。 具体的には、新たに、大手旅行会社のウェブサイトを活用し、県産食材を使用する県内の飲食店である阿波ふうど繁盛店と県内宿泊施設とをマッチングさせた宿泊プランを造成いたしまして、利用者の皆様に徳島の食を体感いただき、その上で、SNS投稿キャンペーンにより、利用者自ら徳島の食の魅力を大いに発信し拡大していただきたいと考えております。 今後とも、大阪・関西万博を千載一遇のチャンスと捉え、美食のまち徳島を目当てに訪れる新たな人の流れをつくり出し、県産品の販売拡大にしっかりとつなげるべく、積極的に取り組んでまいります。   (立川議員登壇) ◆二番(立川了大君) それぞれ御答弁をいただきましたが、御答弁に対する私のコメントは後ほどまとめて申し上げたいと思います。 それでは、質問を続けてまいります。 徳島が世界に誇る阿波おどりについてお伺いいたします。 私はこれまで、阿波おどりに携わってきた者として、また阿波おどりを心から愛する者の一人として、これまでの議会でも何度か質問をさせていただいております。 新型コロナウイルス感染症の影響により、県内各地の阿波おどりが中止や縮小を余儀なくされており、多くの観光客でにぎわっていた飲食店や宿泊施設も大きなダメージを受けるとともに、踊り子はもとより、全国の阿波おどりファンの喪失感も大変大きくなっております。 コロナ禍により、医療や福祉従事者からは、立場的に練習へ参加しづらい、連によってはメンバーが集まらないため、本番への出演が難しい、このままでは阿波おどりが下火になっていくのではないかなど、切実な声も聞こえてきているところであり、大変危惧しております。 また、世界に目を向けますと、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、非戦闘員である民間人が連日犠牲になり、泣く泣く母国を去る多くの避難民のニュースも流れており、残念でなりません。 コロナや世界情勢で閉塞感が漂うこんなときだからこそ、誰もが参加できる阿波おどりで踊りの輪が世界に広がっていったように、ここ本場徳島から日本そして世界を明るくし、盛り上げてもらいたいと切に願っております。 言うまでもなく、阿波おどりは、世界に誇る徳島の宝であり、国籍や人種、宗教や言葉の壁を越え、徳島から全国各地へ、さらには世界へと広がりを見せております。よしこののリズムに合わせて、今、後ろにおられる井川副議長からも元気よくと言われておりますので、踊り子の、「ヤットサー、ヤットサー」この掛け声が響き渡ると、自然と見物人が集まり、一緒に踊り出す人もいますし、何といっても一番いいのは、人々を笑顔にすることであります。 去る六月十日からは訪日外国人観光客の受入れが再開されており、政府においては、状況を見ながら段階的に平時同様の受入れを目指すとなっており、インバウンドの再開に向けた明るいニュースも流れております。 コロナにより、阿波おどり関係者の皆さんは、これまでずっと我慢してこられました。本場徳島に行って踊りたい、見に行きたいと思っておられる方もたくさんおられます。 私は、本県が観光誘客の促進や地方創生の実現を図っていくためには、やはり阿波おどりが最大のコンテンツになると確信しております。 そこで、お伺いいたします。 八月に開催予定の徳島市の阿波おどりに続き、県では秋の阿波おどりを開催されるとお聞きしておりますが、今後どのような熱い思いで取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、子供の歯科疾患予防についてお伺いいたします。 歯と口腔の健康は、乳幼児期から高齢期に至るまで全てのライフステージにおいて、健康で質の高い生活を送るための基礎であるとともに、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防にもつながることから、全身の健康と深い関わりがございます。 特に乳幼児期や学齢期は、健康な歯でよくかんで食べることが、口、顎の正常な発育を促し、運動能力や体のバランスを向上させ、脳の発育を活性化し、知的な発達を促します。生き生きと元気な子供に育つためには、歯の健康は不可欠であり、虫歯予防をはじめとする歯科疾患予防が大変重要となってきます。 こうした中、本県では、議員提案により平成二十四年二月に条例化された笑顔が踊るとくしま歯と口腔の健康づくり推進条例において、科学的根拠に基づく歯科疾患の予防対策の具体例として、フッ化物応用が明記されております。 また、条例に基づき県が策定した徳島県歯科口腔保健推進計画においては、子供の虫歯予防のための施策として、望ましい生活習慣や適切な歯の磨き方、フッ化物の使用の普及に取り組むこととされております。 フッ化物を使用した方法には、フッ化物配合歯磨き剤の使用やフッ化物の歯面塗布、フッ化物洗口などがありますが、他県の事例を見ますと、学校生活においてフッ化物洗口剤によるうがいを取り入れることにより虫歯が減少している事例も報告されております。現実的に、個人が家庭でフッ化物洗口を取り入れていくのはなかなか難しいところもあり、フッ化物洗口を学校で実施することにより、新たな生活習慣として定着させることで、虫歯予防につながることが期待されます。 そこで、お伺いいたします。 本県においても、子供の歯科疾患予防対策として、学校での集団フッ化物洗口を推進すべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、保育所等待機児童問題についてお伺いいたします。 令和四年四月一日時点の保育所等待機児童がゼロになったと、先日の事前委員会で報告がございました。コロナ禍による預け控えの影響があるのではないかとの考えもありますが、市町村における保育所整備、さらには県における保育士確保の取組など、積極的な待機児童対策の成果であると、大変評価しております。 かつて私自身、子供が待機児童になるという経験をしており、預けたくても預けられないという困難な状況は切実な問題として理解しております。 また、こういった通常の待機児童問題に加え、最近の報道では、保護者が希望する特定の保育所などに入所できない児童、いわゆる隠れ待機児童の問題がクローズアップされております。実際、保護者によって、保育所に対するニーズは様々であり、例えば、やむを得ず兄弟姉妹を別々の保育所に預けている場合などは、同じ保育所に通えるような配慮は必要と考えられますし、また年度途中の入所にも柔軟に対応できるような体制の確保も必要ではないかと考えているところであります。 今後、保育を取り巻く環境の変化はさらに複雑かつ激しくなることが予想され、目先ではアフターコロナで経済活動が活発化し、子供を預けて働きたいという保護者が増える可能性があり、中長期的には少子化が進行し、子供の数が減っていくということ、そして希望する保育所を利用できない人が多くいる地域がある一方で、定員を満たさない施設が増えてきているという需要と供給のミスマッチなど、これらの課題に対しては、新たな保育所整備による受皿の拡大というハード対策だけでは解決し難いのではないかと危惧しております。 そこで、お伺いいたします。 少子化の進行や地域的な保育需要の違いなど、保育を取り巻く環境の変化を踏まえ、県として、さらなる待機児童対策に今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、まとめに入ります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 秋の阿波おどりに向けて今後どのような熱い思いで取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 阿波おどりの最大の魅力は、誰もが気軽に踊りの輪へ入ることができるところであり、四百年を超えて徳島の人々に愛され、今や国籍、人種、宗教、言語の壁を越えて世界各国の人々を魅了し続けております。 一方、新型コロナウイルスの感染拡大により、県内各地で阿波おどりの中止が相次ぎ、踊り手の皆様はじめ国内外の阿波おどりファンの方々からは、踊りたかった、見たかったなど、大きな喪失感の声をお聞きするとともに、私自身も大変残念な思いをいたしているところであります。 こうした中、何としても阿波おどりを途切れさせてはならないとの強い決意の下、令和二年十二月には、有名連や若き学生連のステージ演舞、熱意あふれる県外連のライブ中継、海外連からは映像による演舞披露など、リアルとオンラインのハイブリッドにより、ニューノーマルな阿波おどりの祭典を開催いたしたところであります。 さらに、昨年の十一月の秋の阿波おどりでは、国のワクチン・検査パッケージの実証実験に積極的に参加させていただきまして、全国で多くのイベントが中止を余儀なくされる中、感染防止対策を徹底した上で、コロナ禍にも対応したニューノーマルな阿波おどり開催にチャレンジいたしてまいりました。 また、今年の四月には、第四回蜂須賀まつり、また春の阿波おどりはな・はる・フェスタ二〇二二が三年ぶりに開催される。実は、このはな・はる・フェスタ、春の阿波おどりとずっと銘打ってきたんですが、なかなか県内外の皆さん方、いや知らない、夏の阿波おどりしか知らない、こうした話もありましたので、実は、とくしまマラソン、三選目の公約、マニフェストだったんですが、このときには、このはな・はる・フェスタ、春の阿波おどりを銘打っていこう、広めていこうということで、魅力満載はな・はるマラソンとして、その後これがとくしまマラソン、先ほど熱い思いを聞かせろというお話がありましたので、そういった思いで行わさせていただいたものでもあります。 ということで、これらが三年ぶりに開催されるとともに、五月には、阿波おどり春の祭典「紡ぐ」が開催され、さらには、八月には徳島市の阿波おどりの開催も予定されており、アフターコロナに向けた動きが活発となる中、踊り手の皆様方の、踊りたい、鍛えた技を見てほしいなど、あふれる思いをしっかりと受け止め、阿波おどりで徳島を熱く盛り上げることができるよう、秋の阿波おどりを、来る十一月五日から六日までの二日間にわたり開催させていただきます。 具体的に少し申し上げてまいりますと、阿波おどり大絵巻として、有名連の皆様方による圧巻のステージ、日頃磨き上げた技を競い合う世界阿波おどりコンテストなど、創意工夫を凝らしながら、多彩なプログラムを展開し、観客の皆様方の心躍る夢舞台となるよう、しっかりと取り組んでまいります。 今後とも、阿波おどりを愛する全ての皆様方と共に、徳島の宝阿波おどりが次世代へとしっかりと継承され、来るべきアフターコロナにおいて世界中の人々を引きつける、そして輝きを放つことのできる、そうした創意工夫をさらに凝らしてまいります。   (勝野副知事登壇) ◎副知事(勝野美江君) 学校での集団フッ化物洗口の推進について御質問いただきました。 歯と口腔の健康は全身の健康の源と言われておりまして、生涯を通じて歯科疾患を予防し、歯の喪失を抑えることは、健康で豊かな人生を送るための礎となります。 特に、子供の歯の健康は、生涯にわたる健康づくりに大きく影響することから、学校歯科保健活動における歯と口腔の健康に対する正しい知識の啓発、口腔健康管理の実践は非常に重要な取組であると認識しております。 議員お話しのフッ化物による虫歯予防は、厚生労働省のガイドラインにおきまして、安全で効果的な虫歯予防法として推奨されているところであり、特にフッ化物洗口--洗う口と書いてせんこうと読みますが、これにつきましては、四歳から十四歳までが実施すると最も大きな効果をもたらすというふうに示されております。 このため、県では平成二十六年度より、保育や学校の現場におきましてフッ化物洗口を啓発普及するため、保育士の皆様あるいは養護教諭の皆様を対象としまして、体験型の研修を実施してまいりました。 また、令和元年度からは、学校歯科医の管理と指導の下、小学校の児童を対象に週一回のフッ化物洗口をモデル的に実施しておりまして、今年度はこの取組を拡大しまして、中学校の生徒の皆様も新たな対象として実施してまいることにしております。 今後は、こうしたモデル的な取組の成果を広く発信しまして、教職員の皆様、保護者の皆様の御理解の下、学校での普及拡大に努めてまいります。 さらに、新たな庁内ワーキンググループを立ち上げまして、県歯科医師会と連携し、フッ化物洗口の実践事例の共有、体験型研修やモデル事業などの成果や課題の検証を行いまして、幅広い視点から、子供の歯の健康を守るための取組を進めてまいりたいというふうに考えております。 今後とも、県歯科医師会をはじめ市町村や学校など関係機関との連携を図りまして、徳島の将来を担う子供たちの生きる力を支える歯と口腔の健康づくりを積極的に支援してまいります。   (上田未来創生文化部長登壇) ◎未来創生文化部長(上田輝明君) さらなる待機児童対策についての御質問でございますが、女性活躍の推進や核家族化の進行を背景に、保育ニーズが多様化する中、県では市町村と連携し、子育て家庭の就労と育児の両立を支援するため、施設整備と保育士の確保を両輪とし、待機児童の解消に向け、一体的に取り組んでまいりました。 その結果、市町村、事業者など関係機関の皆様の御協力の下、令和四年四月一日現在の保育所等入所待機児童数は、県に記録が残る平成十一年以降初めてゼロとなり、県民の皆様の保育ニーズにお応えし、まずは第二期徳島はぐくみプランで掲げた目標を達成できたところであります。 一方で、特定の保育所等の利用を希望することにより待機状態となる、数字に表れないいわゆる隠れ待機児童が一定数存在すると指摘されており、きょうだい児を同じ保育所に通わせたい、食物アレルギーをはじめとする特別な配慮が必要、特定の活動を子供に体験させたいなど、多種多様な保護者の皆様の声に丁寧に耳を傾け、必要な保育サービスの提供へとつなげる適切なマッチングが肝要であると考えております。 そこで、県におきましては、マッチング業務を行う市町村に対し、企業主導型保育施設をはじめとする認可外保育施設の情報を適時に提供するとともに、保護者の個別ニーズの把握やきめ細やかな助言、利用支援等を行う保育コンシェルジュの配置を推進しているところであります。 また、各市町村においては、保育提供体制の確保を盛り込んだ子ども・子育て支援計画が策定されており、現下の状況を適切に反映させるための見直しがまさに今年度行われる予定となっております。その見直しに当たりましては、議員お話しのとおり、コロナ禍における状況変化や将来的な保育ニーズの変動など、保育を取り巻く環境の変化を見据える必要があり、保育をはじめとした子ども・子育て支援が総合的かつ効率的に提供されるよう、県としても、状況の把握分析を行い、的確に助言を行うとともに、保育人材の確保やスキルアップにも取り組み、保育環境の向上につなげてまいります。 今後とも、待機児童ゼロはもとより、保護者の皆様の保育ニーズに合致した保育環境のさらなる充実が図られますよう、市町村、事業者など関係機関の皆様と緊密に連携を図り、積極的に取り組んでまいります。   (立川議員登壇) ◆二番(立川了大君) それぞれ御答弁をいただきましたので、コメントを述べさせていただきます。 まず、産業人材育成について、県の各機関などで、就業前から在職者まで幅広い方々を対象として、技能や技術、知識を身につけるための職業訓練、研修を行っていただいておりますことは、非常に重要なことであり、今後も時代に応じた内容で行っていただきたいと思います。 また、身につけた技能や知識を生かし、継続的に就労していただくことが何よりも重要だと考えます。そのためには、この仕事をずっと続けたいと思えるような十分な賃金が必要だと思いますが、現状では必ずしもそのような状況にないと感じております。 県だけの取組ではなかなか難しいかとは思いますが、ぜひ自分の技能と賃金に誇りを持てるような施策をお願いいたします。 経営支援策につきましては、事業者の皆様にとりまして、まずは円滑な資金繰りが重要となってまいります。これまでの支援施策に加え、六月からは、物価高騰に対応する新たな融資制度の受付がスタートしたということで、非常に心強く感じております。 一方、事業を継続していくためには、数々の経営課題を解決していかなければなりません。そのためには、事業者に寄り添った県や支援機関の力が必要であります。 各支援機関との連携を密にし、県内経済の活性化に向け、オール徳島で事業者支援に努めていただくようお願いいたします。 続きまして、徳島の食の魅力発信と販売促進については、京セラドーム大阪における知事のトップセールスや、食べに行きたい徳島キャンペーンは、アフターコロナを見据えたリアルな取組として、飲食店の利用促進、生産者の支援、また徳島の魅力ある食材に触れる絶好の機会になると考えます。 大阪・関西万博を千載一遇のチャンスとして逃さない、このような徳島の食の戦略的な魅力発信と工夫ある販売促進に向けた積極的な取組の成果を大いに期待しております。 瀬戸内海の環境保全につきましては、豊かな水環境の次世代への継承について、行政、地域住民、関係団体が一体となり、多様な場において、水環境に関する教育を推進していく旨の御答弁をいただきました。 美しく豊かなとくしまの里海を次世代に継承していくことは、私たち一人一人に課せられた責務だと認識しております。子供たちがふるさとの山や川、海に親しむきっかけとなり、自然の大切さを身近に捉えてもらえるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 阿波おどりに対する知事の熱い思いについて御答弁をいただき、ありがとうございました。 先ほども申し上げたとおり、阿波おどりの中止が相次ぎ、下火になっていくのではないかと心配されている方もたくさんいらっしゃいます。そのような中、コロナ下においても阿波おどりが途切れることがないよう、ニューノーマルな阿波おどりを実践してきていただいたことに心より感謝申し上げます。 県が引き続き阿波おどりに関わってくれることで、勇気づけられたり安心につながったりしますので、秋の阿波おどりをはじめ、県の取組に大きく期待しております。 今後とも、コロナ下による阿波おどりロスを払拭するべく、これまでに得られたノウハウを生かしながら、徳島のキラーコンテンツ阿波おどりで徳島を大いに盛り上げていただきますようお願いいたします。 子供の歯科疾患予防対策として、これまでモデル的に小学校で実施していたフッ化物洗口を中学校の生徒へと拡大して実施することや、県歯科医師会と連携し、新たに庁内ワーキンググループを立ち上げ、子供の歯の健康を守るための取組を進めていただけるとの御答弁をいただきました。 子供の虫歯の健康格差の縮小は、重大な課題かつ改善可能な課題であり、科学的根拠に基づいたフッ化物応用などといった予防対策の一層の普及が重要であります。また、特別支援学校などに通学している子供たちの虫歯予防に対する保護者のニーズは、都市部、郡部にかかわらず高いと考えられており、障がいが軽度でうがいができる子供たちに対するフッ化物洗口もぜひ考えていただきたいと思います。 今後も、子供の歯の健康のために、幼稚園、小学校、中学校における集団フッ化物洗口の実施率向上に向けてしっかりと取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。 待機児童対策につきましては、これまでは受皿の拡大ということで、保育所の整備と保育士の確保の二本柱で取り組まれ、今回、待機児童ゼロが達成されましたので、まずはこれを維持していただきたいと思います。 一方で、少子化に伴い、子供の数がどんどん減ってきている状況ですので、しっかりと地域の保育ニーズを把握していただき、ハード整備に偏るのではなく、必要な保育サービスがそれを必要としている方々に提供できる保育環境となるよう取り組んでいただきたいと思います。 それでは、まとめに入ります。 このたびの質問は、希望と安心に満ちた明るいふるさとを次の世代に引き継いでいくということをテーマといたしました。 今任期最後の質問を終えつつある今、様々な出来事が思い起こされますが、やはり一番大きな出来事は、今なお続く新型コロナ感染症であります。 コロナ下では、様々なことが急速に、しかも同時多発的に悪化し、激変していく現場に迅速に対応すべく、例えて言うならば傷にばんそうこうを貼るような緊急的な施策も多かったのではないかと思います。これは、施策が悪いという意味で言っているのでは決してありませんし、どれもが県民にとって重要な施策でありました。 コロナ後を見据えた施策が中心となりつつある現状において、疲弊した徳島県をいかに立て直していくのか、また、途切れつつある伝統や文化をどのように継承していくのか。これからは本腰を入れて、ばんそうこうではなく、健康な徳島県を再構築する重要な局面だと考えます。 先ほど、同志の井下議員からもございましたが、子供たちに対するワクチンやマスクなど、この子供に対するワクチン接種につきましては、昨年九月の私の質問時にも、海外の報告を踏まえ、慎重にするべきだと申し上げましたが、今、我々大人が大局を誤り、かじ取りを間違ってしまったならば、次の世代を担っていく子供たちに今よりも大きな負の財産を背負わせてしまうことは安易に想像がつきますし、誰もそんなことは望んでおりません。 私の目標は、徳島県が希望と安心に満ちた明るいふるさととなり、次の世代へと引き継いでいくことであります。そのためにも、大局を誤らず、額に汗して、政治は人なり、暮らしは政治なりの信念を貫き、県民の皆様、また地域の皆様の声に寄り添いながら、情熱を持って取り組み続けますことをお誓い申し上げますとともに、知事はじめ理事者の皆様には、光輝く徳島県になるよう、しっかりと取組を進めていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後零時十八分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時三十二分開議      出席議員計三十四名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     八  番     東  条  恭  子 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十 番     嘉  見  博  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十五番・庄野昌彦君。   (庄野議員登壇) ◆三十五番(庄野昌彦君) 新風とくしまの庄野でございます。 県政の重要課題について質問いたします。知事はじめ理事者の皆様方には、温かい御答弁をお願いしておきます。 早速、質問に入ります。 まず初めに、原油・物価高騰の長期化への対応及び山積する課題へ対応するため、財源確保にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 本県では、早速、五月臨時会の開催により、事業者、県民生活への支援など緊急対策が予算化されるとともに、今定例会でも追加対策が提案されており、これまでの対応については十分に評価したいと思います。 しかし、今般の物価高騰は、ロシアのウクライナ侵攻などにより、原油や原材料の高騰に加え、円安が大きく影響しております。米国が、従来の金融緩和政策を転換し利上げを加速するのに対し、日本は、なおもデフレ脱却を掲げたまま大規模な金融緩和を続けていることから、投資家は、金利の高いドルを買い、低金利の円を売るため、円安が止まりません。 今後、長期化する可能性もあり、物価高はさらに進む可能性が危惧されており、今後においても追加の対策が行える体制を整えておくべきだと思います。ただし、原油・物価高騰は、新型コロナと同様、国、世界全体の問題であり、国の責任においてしっかりと財源確保していただくことが必要なのではないかと考えます。 また、来年度の国の予算編成に向け、骨太の方針が示されました。国の財政状況は極めて厳しい状況であり、骨太の方針では、感染収束後、早期に地方財政の歳出構造を平時に戻すとの記述があるところです。 しかし、コロナ収束後、平常時の財政状況、つまり臨時交付金などの特別な財源がなくなった場合でも、地方においては、デジタル化、脱炭素化の推進、少子高齢化、災害への備えなど、喫緊の課題が山積しております。このため、引き続き安定的な財源の確保が必要でありますが、しっかりとその必要性、有効性を訴えて、国全体の発展のためにも必要であると説明しなければ、地方交付税は削減されるおそれがあります。 そこで質問ですが、長期化する原油・物価高騰をはじめ山積する課題へ対応するため、財源確保にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、脱炭素の取組をさらに進めていただきたいという趣旨で質問いたします。 国連のIPCCが公表した最新の報告書では、温暖化対策に一刻の猶予もないとしております。海面上昇や、農業、漁業の被害、感染症の流行など、被害は拡大しており、異常気象は今後も増えるとしております。 そして、再生可能エネルギーの割合を高めることは、脱炭素だけでなくエネルギー安全保障にもつながると指摘しています。私も同感です。 今年は、温暖化を防ぐ国際的なルールである国連の気候変動枠組条約の採択と、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた地球サミットから三十年の節目の年でございます。 当時十二歳だったカナダの環境NGOのメンバー、セヴァン・スズキさんは、地球サミットの演説でこう言っておりました。世界中の国の大人たちが、戦争のために使っているお金を、平和のため、環境、飢餓の問題のために使えば、この地球がすばらしい星になるでしょう。今、この言葉を、私たちは重く受け止めなければいけません。 ロシアのウクライナ侵攻で、どれだけの殺りくと破壊が起こってしまったのか。国際世論の力で、この無益な侵攻をいっときも早く止めねばと思います。戦争は、最大の環境破壊であり、人権侵害であり、地球温暖化防止にも大変逆行しております。 さて、温暖化防止に向けて、脱炭素社会実現の切り札として今世界中の注目を集めているのが、燃焼しても二酸化炭素を排出しない水素の利活用でございます。 本県では、水素グリッド構想を強力に推進しています。我が会派の臼木議員も県議会でテーマにしてこられました水素バスをはじめ、これまで全国の一歩も二歩も先を行く事業を展開してまいりましたが、まだまだ県民には水素の持つ可能性が浸透し切れていないと私は感じております。 そこで、お伺いします。 本県の水素グリッド構想での取組を生かし、脱炭素社会の実現へさらなる機運醸成を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、食品ロス削減の推進についてお伺いいたします。 食品ロス問題は、本会議でも多くの議員が取り上げてきましたが、ロシアのウクライナ侵攻が長期化すれば、輸入に頼る我が国の食料事情は大変厳しいものになるのではないかと心配しています。 食品ロスの削減は、今や世界的な課題であり、SDGsの目標十二の、つくる責任、つかう責任にひもづいたターゲットの一つに、二〇三〇年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させるとの目標が掲げられております。 国連食糧農業機関FAOによると、世界の食料廃棄量は年十三億トンで、生産量の三分の一が捨てられており、国内の食品ロスは、農林水産省の二〇一九年度推計値で年五百七十万トン、その内訳は、事業者が三百九万トン、家庭が二百六十一万トンとなっており、東京都民が一年間に食べる量に匹敵すると言われております。食料の多くを輸入に依存している我が国として、食品ロスの削減は真摯に取り組むべき課題だと思います。 二〇一九年に施行された食品ロス削減推進法は、生産者、事業者、消費者を含めた全ての利害関係者に食品ロスを減らす責任があると規定しています。また、食品関連事業者に加え、廃棄される食品を企業などから譲り受け、福祉施設や生活困窮者などに届けるフードバンクの活動に対する自治体の支援についても規定しております。 本県でも、多くの企業や団体、個人が、まだ食べられる食品をフードバンクに寄贈され、日々、食品ロス削減に向けて地道な活動を実施されております。それらの取組には頭が下がります。 このような状況の中、新型コロナ感染症が猛威を振るい、それも三年目に入り、収入が減少し、生活に困窮し、子供に食事を満足に食べさせられない家庭も増えていると聞く一方で、まだ食べられるにもかかわらず捨てられる食品ロスは発生しております。食品ロスを削減するには、まず、食べられるにもかかわらず廃棄される食品を減らすことから始めなければなりません。 そこで、お伺いします。 食品ロスの削減に向け、食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着に今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、ウッドショックを機に県内において需要が高まっている県産材について、今後の利用拡大に向けた取組、特に木育の推進についてお伺いいたします。 本県では、昨年の十月、あすたむらんど徳島に、徳島木のおもちゃ美術館がオープンいたしました。多くの子供さんや御家族が来館され、木のぬくもりや魅力が大いに発信されております。 私も何回か行かせていただきましたが、徳島すぎがふんだんに使われた施設で、改めて木のよさを感じることができました。美術館には、木を知り、木を使う意義を学ぶ木育拠点として、大きな意味を持つと私は考えております。 森林は、成長時には多くの二酸化炭素を吸収するとともに、木材となって建築物に利用されることになると、その建築物は長い期間、二酸化炭素を固定できることから、都市部における第二の森林とも言われており、木材を伐採、利用し、再び植林するというサイクルを続けることは、地球温暖化防止対策において大変重要な取組でございます。 しかしながら、日本の木材自給率は令和二年で四二%と、半分に届いておらず、豊富な森林資源を有効活用できている状況ではありません。 昨年度から国内で起きているウッドショックは、この外材に依存していたことが原因で一気に木材不足になったとも言われており、今、建築業界では、安定的な木材確保に向けて、国産材への転換を進める動きが出てきております。 一方、ここで肝腎なのは、ウッドショックが解消されればまた以前のように外材依存に戻るということがないように、県産材利用の意義やその効果を広くPRしていくことだと考えます。そして、その鍵を握るのが木育ではないかと考えます。木育を通じて、県産材利用が地球温暖化対策や社会経済の発展など持続可能な開発目標SDGsにも貢献できるということを、子供たちをはじめ幅広い世代に伝えていくべきと考えます。 そこで、お伺いいたします。 ウッドショックを機に、県産材利用拡大に向け、徳島ならではの木育の展開加速を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 庄野議員の御質問にお答えさせていただきます。 原油・物価高騰の長期化や今後の財源確保への対応について御質問をいただいております。 コロナ禍の影響が長期化する中、ウクライナ情勢に伴う原油・物価高騰などにより、厳しい状況に置かれている県民、事業者の皆様の暮らしと命、業と雇用を守るには、地域の実情に応じた対策を迅速に実施するための財源確保がまさに必要不可欠であると、このように認識いたしております。 このため、国の経済対策の策定に当たり、全国知事会ともしっかりと連携し、地方がちゅうちょなく対策を講ずることができるよう、財源措置を強く提言した結果、四月二十六日に閣議決定がなされましたコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策では、私が全国知事会長として、都道府県あるいは市町村が地域の実情に応じコロナ対策に使うことのできる財源が必要である、こう提言し実現いたしました地方創生臨時交付金、その一兆円の増額が盛り込まれたところであります。 これを受け、本県におきましては、県民、事業者の皆様方の不安払拭に向け、迅速に五月補正予算を編成し、中小・小規模事業者への資金繰り支援強化、農林漁業者への燃油・飼料高騰負担軽減、生活困窮者子育て世帯への支給金の給付など、緊急対策を実施いたしますとともに、今回の六月補正予算案では、社会経済活動の回復に向けた需要喚起策として、飲食、交通、生活衛生に係る額面総額四十億円に及ぶクーポン事業や、地域活性化のイベントへの支援など、切れ目のない対策を講じてまいりたいと考えております。 このように、追加配分された臨時交付金四十億円を最大限に活用し、五月補正予算、また六月補正予算案を編成するとともに、本年二月、令和四年度第一号補正予算における県版Go To トラベル事業を連動させることで、事業規模二百八十三億円、予算総額百十二億円となる県版総合緊急対策として一体的に取りまとめ、アフターコロナに向けた取組を強力に推進いたしてまいります。 また、ウクライナ危機の長期化や円安のさらなる進行など、先行き不透明な状況が続く一方で、国が掲げる新しい資本主義の重要な柱であるデジタル田園都市国家構想の実現や、GX・DX活用における新次元の分散型国土の創出には、主役となる地方の安定的、継続的な財源確保がより一層重要になると、このように認識いたしております。 このため、国に対し、来年度予算編成に向けまして、地方一般財源総額確保について提言し、骨太の方針二〇二二におきまして総額確保の方針が堅持されたところではありますが、さらに、留保されている地方創生臨時交付金二千億円の早期解除、令和五年度以降の地方創生臨時交付金の存続をはじめとした地方の財源確保について強く求めてまいったところでもあります。 今後とも、暮らしと命、業と雇用を守り抜くという強い気概の下、原油・物価高騰対策をちゅうちょなく講じていくとともに、ポストコロナ新時代をしっかりと見据え、GX、DX、二つのXを推進エンジンといたしまして、国難打破に向け、全力を傾注してまいります。   (勝野副知事登壇) ◎副知事(勝野美江君) 県産材の利用拡大に向けた木育の展開加速についての御質問をいただきました。 県土の四分の三を占める豊かな森林を守り育て、次世代に引き継ぐためには、県産材のよさや利用の意義を学ぶ木育を通じて、県産材の利用を図り、森林資源の循環につなげることが大変重要であると考えております。 また、全世界が共通の課題認識の下、二〇三〇年のSDGs達成、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現を目指す中、国境を越えた普遍的な概念である木育の重要性は一段と高まっております。 このような国内外の潮流を捉え、本県におきましては、あらゆる世代が集い、森林の大切さ、木材のよさなどを学び、遊び、体験できる木育とにぎわいの拠点として、都道府県立で初となる徳島木のおもちゃ美術館を昨年十月にオープンいたしました。 議員も何度も行っていらっしゃるということですが、私も昨年、早速行かせていただきました。本当に木のぬくもりが感じられるすてきな場所になったと思います。 そして、この木のおもちゃ美術館、実は既に来館者が八万人を超えておりまして、年間目標を十万人にしていたんですけれども、これを追い越す勢いで伸びております。 また、ウッドショックに伴いまして、県産材回帰に対する関心も高まっており、議員お話しのとおり、まさしく今は美術館での木育をさらに推進する好機であるというふうに認識しております。 そこで、美術館を訪れた方に対し、水源涵養をはじめ、県産材利用がもたらす多くの効果や、森林・林業・木材産業に携わる方々の営みにつきまして、伐採や木工作業の臨場感あふれた動画も積極的に用いたとくしま木育ガイドブックを新たに作成することとします。これによって、幅広い世代が共に学び合える本県木育の新たなバイブルとしていく予定にしております。 また、美術館の木育効果を全県的に展開するため、木育の伝道師おもちゃ学芸員の皆様の御協力の下、移動木のおもちゃ美術館を新たに開催することとし、この実施に際しましては、先ほどの木育ガイドブック、これを有効活用していくことにしております。 さらに、移動美術館におきましては、昨年、東京オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザで活用されました里帰りした県産材がございますので、これで製作したベンチやテーブルを参加者が交流する場に設置することで、持続的な社会に向けた県産材利用の重要性を広く県民の皆様に周知してまいります。 今後とも、全国屈指の木育拠点、徳島木のおもちゃ美術館を核に、木に学び、木とふれあい、木でつながる、徳島ならではの木育を展開加速し、将来に向け、県産材利用の輪が一層広がるよう、しっかりと取り組んでまいります。   (谷本政策監補兼危機管理環境部長登壇) ◎政策監補兼危機管理環境部長(谷本悦久君) 幾つか御質問いただいております。 まず、脱炭素社会実現へ、水素活用の機運醸成をどのように図るのかとの御質問でございますが、究極のクリーンエネルギーとして大いに期待される水素について、本県では国に先んじて、平成二十七年、徳島県水素グリッド構想を策定し、中四国初となる県庁舎での水素ステーションや、地方空港初の燃料電池フォークリフトの導入など、未来を先取りする着実な社会実装を進めてまいりました。 また、昨年十二月には、燃料電池バスSORAが、走る広告塔として、徳島バス鳴門線で、中四国初の路線運行を開始するとともに、本年四月十五日には、全国初となる地産水素を活用した製造・供給一体型の水素ステーションが東亞合成徳島工場に開所したところであります。 六月七日に閣議決定された新しい資本主義のグランドデザインでは、水素の利活用がクリーンエネルギー戦略の推進に不可欠なものと位置づけられ、待ったなしとされる脱炭素社会の実現へ、官民挙げた水素実装の加速化が求められております。 一方、水素社会の実現に向けて、さらなる技術革新を呼び起こし、利活用を促進するためにも、議員お話しのとおり、県民の皆様に水素の持つ大きな可能性を理解いただけるよう、これまで以上の機運醸成を図ることが重要であると考えております。 そこで、四国インターハイでのシャトルバス利用による燃料電池バスの情報発信、徳島県総合防災訓練初となる走る大型発電所としての燃料電池バスの外部給電の実施、高等教育機関と連携したGX人材の育成プログラムの創出など、県民の皆様が身近に水素を体感いただける場を創造してまいります。 また、ビジネス面でも、徳島ビジネスチャレンジメッセ二〇二二において、水素関連の特別展示に併せ、水素と二酸化炭素を合成し燃料メタンを発生させるメタネーションをはじめ、新時代の脱炭素技術に関するセミナーを開催し、積極的に機運醸成を図ってまいります。 今後とも、脱炭素社会の救世主水素の社会実装を着実に進め、二〇二五年大阪・関西万博の舞台で、水素が導く新時代の姿を実感いただき、徳島の魅力を大いに発信できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、食品ロスの削減に向けどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、大量生産大量廃棄型の経済社会から、持続可能な形で資源を利用する循環型経済社会への移行が世界の潮流となる中、依然、我が国においては、令和二年度実績で、世界の食料援助量の約一・二倍、年間五百二十二万トンの食品ロスが発生しております。 食料の多くを輸入に依存している我が国として、食品ロスの削減は極めて重要な課題であり、令和元年度に開催した食品ロス削減全国大会in徳島を契機として、徳島ならではの食品ロス削減対策の一層の強化を図っていくため、令和二年度に、消費者や事業者、行政などの役割を明確化した徳島県食品ロス削減推進計画を策定いたしました。 この計画を踏まえ、県内事業者に対し、食べ切りの呼びかけや、食べ切れる量の提供を行う「とくしま食べきるんじょ協力店」への登録を推進した結果、令和四年四月現在では、令和元年度末と比べ約一・五倍、九十一店舗へと増加するとともに、仕入れ時の適量発注や食材の使い切り、フードバンクへの未利用食品の提供など、事業系を中心に食品ロス削減の取組が浸透し、その成果が現れております。 今後、さらに食品ロスを削減するためには、議員お話しのとおり、まず、食べられるにもかかわらず廃棄される食品を減らすことが重要であり、県内で廃棄される食品のうち約六〇%を占める家庭系食品の廃棄を抑えることが不可欠であると認識しております。 そこで、本年十月の食品ロス削減推進月間において、とくしま環境県民会議や県消費者協会とも連携し、買物前の冷蔵庫の確認や必要量の購入など、家庭での食品ロス削減に重点を置いたキャンペーンを実施してまいります。 また、昨年度、消費者庁との連携による食品ロス削減推進サポーター育成に向けた試行調査事業のモデル県として、全国に先駆けて、サポーターの育成や食品ロス削減について学び実践するためのガイドブックの作成に取り組んだところであり、今年度は、育成したサポーターを中心に、学校現場や公民館などにおける出前講座や、エコみらいとくしまのスタジオを活用したオンライン配信など、地域に根差した普及啓発活動を積極的に実施し、家庭における食品ロスの削減を促進してまいります。 今後とも、消費者や事業者、行政などのあらゆる主体が連携し、県民総ぐるみで、食べるものを無駄にしない意識の醸成とその定着にしっかりと取り組み、環境首都とくしまの実現を目指してまいります。   (庄野議員登壇) ◆三十五番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントをさせていただきます。 まず、ウクライナ情勢が長期化して円安が進むとなると、生活者の暮らしはますます厳しくなってきます。今すぐ対策を打たなければ、厳しい状況になる御家庭も増えてくるのではないかと危惧しています。 知事からは、今後とも暮らしと命、業と雇用を守り抜くという強い気概の下、国難打破に向けて全力で取り組むとの力強い答弁をいただきました。ありがとうございました。 次の脱炭素の取組につきましては、本県の水素グリッド構想の推進は目をみはるものがあります。御答弁では、機運醸成に向け、四国インターハイでのシャトルバス利用による燃料電池バスの情報発信、総合防災訓練での走る大型発電所としての燃料電池バスの外部給電の実施、二〇二五年大阪・関西万博での発信など、順次、水素機運の醸成に向けた前向きな取組が予定されております。 今後、さらに県民への浸透を図り、普及促進が図られますようにお願いしておきます。 食品ロスは、地球上の大きな問題です。ロシアのウクライナ侵攻で、食料は世界中で逼迫傾向です。貴重な食べ物を無駄にしない努力をみんなで行っていく必要があります。みんなで問題意識を持って頑張っていこうではありませんか。 そして、県産材の利用拡大、木育の部分でございますが、県産材の利用拡大は、山を守っている方々の収益アップにつながりますし、再生産が可能になります。川上から川下まで、それぞれが協力しながら、本県林業の活性化につながっていってほしいと思います。 御答弁では、徳島木のおもちゃ美術館を訪れた方に対して、水源涵養をはじめ、県産材利用がもたらす多くの効果や森林・林業・木材産業に携わる方々の営みについて、伐採や木工作業の臨場感ある動画を用いたとくしま木育ガイドブックを製作していただけるということや、移動木のおもちゃ美術館を開催し、全県展開を図っていただけるということで、非常にうれしく思っております。 これからも、徳島ならではの木育を加速し、県産材利用の輪が一層拡大することを願っております。 それでは、質問を続けます。 次は、動物由来感染症対策についてであります。 私は、徳島県の獣医師職員として家畜防疫等に携わってきた経験を踏まえ、これまで、高病原性鳥インフルエンザ、狂犬病、エボラ出血熱など、動物由来とされる感染症に関する質問を行ってまいりましたが、このたび、新たな感染症である新型コロナウイルス感染症の発生を受け、改めて動物由来感染症対策について質問させていただきます。 現在、感染症法で規定されている人の感染症において、約六割以上が動物由来であると言われており、新型コロナウイルス感染症に代表される新たに出現する新興感染症、克服したと考えられていましたが再び流行する再興感染症、そしてサル痘など海外から持ち込まれる可能性のある輸入感染症なども多くが動物由来とされ、その対策は喫緊の課題であります。 このような感染症の脅威に対し、動物側で発生している感染症情報をあらかじめ人側と共有しておくことが感染症対策に有効であり、県では、動物由来感染症対策検討会を設置し、獣医師と医師の情報共有の場として既にこの機能を有し、また、さきの県議会での議論を踏まえ、検討会を進化されたとお聞きし、徳島県での対策は他に先んじて行われているものと承知しております。 さらに、新たに発生する感染症への脅威に立ち向かうためには、人と動物の健康に環境問題である生態系の健康を加えた新たな感染症対策とされるワンヘルスの理念を広く浸透させることが非常に重要であり、この検討会こそがその中核をなし得る会であると確信しております。 しかし、我々獣医師や医師だけがワンヘルスを理解し、実践につなげるだけではなく、これからは県民がワンヘルスの理念を正しく理解していただく必要性があると感じております。 そこで、お伺いいたします。 県民へのワンヘルスの理念の浸透を図るためにどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、子供たちに対するきめ細やかな心のケアについてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症については、感染者数が増減を繰り返す中で徐々に減少傾向が見られており、政府が外国人観光客の受入れ再開といった水際対策の緩和を進め、社会経済活動の回復に向けた施策を打ち出すなど、ウイズコロナ、アフターコロナ社会を見据えた動きも見られます。 学校現場においても、これまで制約があった修学旅行や遠足、運動会といった学校行事についても、感染防止対策が講じられ、工夫して実施している学校が徐々に増えているとお聞きしております。 一方で、昨年度、県が実施したコロナ禍における子供と保護者を対象とした実態調査の結果によると、約六割の子供が、不安や悩み、ストレスがあると回答し、そのうち約四割の子供が、新型コロナウイルス感染症の影響があると回答しており、子供たちを取り巻く環境は、コロナ禍の影響を受け、依然厳しい状況にあります。 また、ここ数年、児童生徒の自殺者数が増加傾向にあるとのことで、コロナ禍からの脱却に向け、子供たちが元気を取り戻すための支援が今まさに必要であると考えております。そのためには、常に子供たちに接している教員が子供たちの変化にいち早く気づき、きめ細やかで迅速なケアをしていくことが大事であると考えます。 そこで、お伺いします。 子供たちが抱える不安や悩み、ストレスなどの早期発見、早期解決に向け、どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、中学校の運動部活動の地域移行についてお伺いいたします。 近年、少子化の影響を受け、学校の運動部活動を維持することがますます困難になっていると聞いています。また、部活動が教師にとって大きな業務負担となっていることから、働き方改革推進の観点においても部活動改革が求められております。 そんな中、公立中学校等における運動部活動の地域移行について検討を進めてこられたスポーツ庁の有識者会議が、去る六月六日、提言書を提出しました。提言書によると、部活動改革によって、少子化の中でも持続可能なスポーツ環境の確保や教員の働き方改革の推進が図られる一方で、保護者の費用負担増、地域の受皿不足など様々な課題が指摘されております。 本県では、小学校のときから、バレーボール、バスケットボール、サッカー、野球など、地域の指導者の御協力をいただきながらスポーツ活動をしてきております。その延長線上として、中学校、高校まで続ける学生が多いのではないかと思っております。 そんな中、地域移行という大きな課題が現実のものとなってきております。本県出身の教育研究家妹尾昌俊氏のホームページを参考にさせていただきましたが、地域移行で期待される効果がある反面、問題、課題も多く指摘されております。 そこで、お伺いします。 公立中学校の運動部活動の円滑な地域移行に向け、様々な課題に対しどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、会計年度任用職員の処遇改善についてお伺いいたします。 自治労が二〇二〇年六月に行った自治体会計年度任用職員の賃金・労働条件制度調査によれば、市町村を含む調査自治体における会計年度任用職員の平均比率は三八・三%で、特に市町村では高い比率となっております。 同調査によると、職種別の会計年度任用職員の比率は、消費生活相談員、学童指導員が九割以上、婦人相談員が八割以上、図書館職員が七割以上、学校給食関係職員、学校用務員が六割以上、保育士が五割以上と、恒常的な業務に多くの会計年度任用職員が従事し、地方行政の重要な担い手となっております。 適正な任用、勤務条件の確保を目的に、二〇二〇年四月から会計年度任用職員制度がスタートし、各種休暇制度の確立や期末手当の支給など、一定程度は改善しましたが、会計年度任用職員には、地方自治法の制約等により、勤勉手当が支給されておらず、常勤職員との均衡そして均等、いわゆる同一労働同一賃金が実現したと言える状況ではありません。 既に徳島県では、勤勉手当の支給を可能とする政策提言を国に行ったと承知しておりますが、安定した行政サービスの維持向上のためには会計年度任用職員の処遇改善は急務であることから、あらゆる機会を通じて国に要請すべきと考えます。 また、会計年度任用職員の八五%を女性が占めるという実態があり、妊娠、出産、育児等のライフイベントが生じ得ることから、仕事と家庭生活の両立をより一層推進するため、育児に関する休暇制度の拡充を図る必要があると考えております。 そこで、お伺いいたします。 勤勉手当の支給や育児に関する休暇制度の拡充など、会計年度任用職員の処遇改善を推進するべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただき、再度登壇させていただきます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 県民へワンヘルスの理念浸透を図るため、どのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。 ワンヘルスの理念とは、人と動物の健康と環境の健全性を一つのものとして捉える考え方であり、議員お話しのとおり、県民の皆様方への理念の浸透が、動物由来感染症の発生予防とパンデミック防止に向けて極めて重要であると、このように認識いたしております。 県では、二〇〇四年、平成十六年から、医師と獣医師による情報交換の場として徳島県動物由来感染症対策検討会を開催し、野生鳥獣や犬猫における病原体の保有の状況、保健所や動物愛護管理センターでの感染症対応事例など、最新情報や課題解決策の共有を図ってまいったところであります。 本年二月定例会での御論議を踏まえまして、去る六月二日開催いたしました検討会では、新たな委員として環境分野の有識者にも御参加いただき、気候変動によりデング熱などの感染症を媒介する熱帯系の蚊が北上していること、積雪の減少により野生鳥獣の活動が広域化していること、人に病気を感染させる意味で機会が増加していることなど、動物由来感染症と環境問題が密接に関係していることの御意見をいただいたところであります。 そこで、県では、医師、獣医師、環境分野の関係者と連携し、気候変動が動物由来感染症に与える影響や、ダニや蚊など感染症媒介動物の生息域の変化をはじめ具体的な事例を挙げながら、分かりやすく情報を発信するとともに、環境教育の場においてワンヘルスの理念を啓発するなど、広く県民の皆様方に普及展開し、浸透を図ってまいりたいと考えております。 また、動物由来感染症対策検討会につきましては、感染症や環境に関する調査研究、県民への迅速で正確な情報発信、人や動物における感染予防対策の啓発など、ワンヘルスの実践に向けた取組に対し、医療、獣医療及び環境分野の専門的見地から必要な助言や提言を行っていただく、いわゆるアドバイザリーボードへの進化を目指してまいります。 今後とも、車の両輪である県議会で御論議いただきながら、県民へワンヘルスの理念が着実に浸透するよう、その取組を加速し、人と動物の健康、環境の健全性が一体的に守られる、そうした形でしっかりと取組を進めてまいります。   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 二点御質問いただいております。 まず、子供たちが抱える不安や悩み、ストレスなどの早期発見、早期解決に向け、どのように取り組むのかとの御質問でございますが、二年余りにわたる新型コロナウイルス感染症の拡大は、マスクや手指消毒、黙食など新たな生活様式の導入、修学旅行や運動会など学校行事の自粛、部活動での相次いだ大会の中止や練習時間の制限など、これまで学校が経験したことのない大きな変化を及ぼすとともに、子供たちにも、自身の感染への不安や長期にわたる自粛によるストレスなど、非常に大きな影響を与えたと認識しております。 社会経済活動が徐々に正常化に向け動き出す中、学校がかつての日常を取り戻すためには、まず第一に、子供たちが抱える心の問題にいち早く気づき、解決に向け、きめ細やかで適切な心のケアが急務であります。 これまで県教育委員会では、子供たちが独りで悩みを抱え込むことがないよう、LINEを活用したSNS相談の開設、二十四時間子供SOSダイヤルの設置など、相談しやすい環境づくりに努めてきたところであり、昨年度からは、スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤーなど専門家との連携による3S活用モデル事業を実施するなど、一層の相談支援体制の充実に取り組んできたところです。 また、日々子供たちに接している教員が子供に寄り添い、よりきめ細やかな支援ができるよう、子供のSOSにいち早く気づき、解決に導くスキルを高めるゲートキーパー養成研修、臨床心理士や精神科医から子供たちへのストレスケアの指導方法等を学ぶいのちと心の授業、具体的な事例検討を通し指導力を高めていく教員スキルアップ研修など、教員が子供たちの悩みをしっかりと受け止め、解決に導く力を養ってきたところです。 さらに、大学と連携して、心の問題の未然予防を図るプログラムを活用し、子供たちがワークショップ型の学習を通して自己肯定感を高めることを学ぶ徳島版予防教育の一層の推進に取り組んでおります。 加えて、一人一台端末を活用した心のケア支援システムを導入し、子供が日々の心の状態について、晴れ、曇りといった心の天気を入力することにより見える化を図り、教員が子供の僅かな変化にいち早く気づき、迅速なケアにつなげるとともに、子供自身も毎日の状態を把握し、自ら改善に向け考え行動することができるよう、新たな取組を進めているところです。 県教育委員会といたしましては、引き続き、教育相談体制のさらなる充実を図るとともに、教員の一層の指導力向上に努め、全ての子供たちが生き生きと学校生活を送ることができるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、公立中学校の運動部活動の地域移行に向け、様々な課題に対しどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、全国的に進む少子化により、学校の運動部活動は、チーム編成ができず、単独で試合に出られなかったり、ふだんの練習もできない場合があったりと、地域によっては学校の部活動を継続することが困難な状況となっております。 本県におきましても、複数の学校で合同チームを編成し大会に出場することが進められており、特に生徒数の減少が激しい過疎地域においては、郡市単位でのチーム編成が難しい学校もあることから、今年度から県中学校体育連盟と連携して、従来の郡市予選制度を見直し、県内六ブロックでの予選制度とすることにより、郡市を越える学校間で合同チームを編成できるよう改めたところです。 また、部活動が教員の長時間労働の大きな要因となっていることから、働き方改革の観点においても、部活動改革の推進が急務となっております。 去る六月六日、国の運動部活動の地域移行に関する検討会議は、公立中学校における休日の運動部活動の指導を地域のスポーツクラブや民間事業者などに委ねること、令和五年度から三年間を改革集中期間とし、地方公共団体は具体的な推進計画を策定することなどの提言をスポーツ庁へ提出いたしました。 本県では、令和三年度から、地域移行に向けた実践研究に取り組んでおり、指導者の確保や費用負担の在り方、学校部活動と地域との役割分担、平日と休日の指導の連携協力体制の構築などの課題解決に向け、今年度は県立三校と小松島市の二校でモデル事業を実施しております。 生徒や教員からは、専門性の高い指導により競技力が向上した、時間外勤務が減少したなどの声が聞かれる一方で、受皿となる指導者や事業者の不足、学校と地域スポーツ団体等との連携強化、保護者の費用負担の在り方など、改めて地域移行に向けて解決すべき課題が見えてまいりました。 今後、こうした成果や課題を踏まえた上で、新たに、市町村教育委員会、競技団体等から成る運動部活動の地域移行推進協議会を来月を目途に立ち上げ、県内公立中学校運動部活動の円滑な地域移行に向け、具体的な検討を進めてまいります。 県教育委員会といたしましては、引き続き、地域の実情をしっかりと踏まえながら、本県中学生の持続可能なスポーツ環境の整備に全力で取り組んでまいります。   (伊藤経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(伊藤大輔君) 会計年度任用職員の処遇改善を進めるべきとの御質問でございますが、会計年度任用職員については、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ多くの課題に全庁一丸となって取り組む中、公務の運営に欠かすことのできない存在であると改めて認識したところであり、給与や休暇取得の面で正規職員と同等の勤務条件を確保することは大変重要であると考えております。 まず、給与面につきましては、議員お話しのとおり、国の制度上、勤勉手当を支給できないことから、本県としては、五月二十日、中西総務副大臣をはじめ、制度を所管する総務省に対し、各自治体の判断で勤勉手当を支給することができるよう制度見直しを求める政策提言を実施いたしました。 さらに、五月三十一日には、同様の問題意識を有するほかの地方公共団体や本県から働きかけを行い、賛同が得られた関西広域連合の構成団体とともに、内閣府が実施する地方分権改革に関する提案募集に対し、徳島県を代表団体として、本件制度改善を共同提案いたしました。 今後とも、本県がリーダーシップを強力に発揮し、地方の実情をしっかり国に届け、制度改善の実現を目指してまいります。 次に、休暇取得に関しては、育児に関する休暇制度について、本年一月、産前産後休暇の有給化、産前休暇の取得期間の延長について、正規職員と同様の制度へと充実させるとともに、正規職員と同様に、不妊治療休暇の取得日数についても六日から十日へと拡充したところでございます。 また、五月二日に改正公布された地方公務員の育児休業等に関する法律においては、育児休業の取得回数制限が緩和され、夫婦交代での取得や男性職員の取得を容易にする制度改正がなされたことから、本県としても、十月一日の法施行日から、正規職員と同様、会計年度任用職員についても制度適用ができるよう、速やかに準備を進めてまいります。 今後とも、会計年度任用職員の処遇改善に努めることはもとより、職員一人一人が個人の事情に応じた多様な働き方が選択できる職場環境を構築することにより、ワーク・ライフ・バランスを実現し、県民サービスの向上につなげてまいります。   (庄野議員登壇) ◆三十五番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントをさせていただきます。 ワンヘルスについてでございますが、徳島県における動物由来感染症対策は、平成十六年に設置されました検討会におきまして、医師と獣医師の情報共有の場として、先進的で非常に有効な取組を既に実践されております。さらに、温暖化などの環境問題を加味した新たな検討会へと進化され、まさに今後の感染症対策を実施する上で必須となるワンヘルスへの取組に向け、新たなスタートが切られたと実感しております。 しかし、ワンヘルスの理念につきましては、まだまだ広く県民に浸透しているとは言い難いため、県からの情報発信は積極的に実施いただきますとともに、県議会におきましても、議員各位の賛同をいただきながら、県民に向けた効果的なワンヘルスの理念の浸透策について議論を深めてまいりたいと考えております。 子供に対するきめ細やかなケアにつきましては、コロナが長期化する中、遠足や運動会など子供の楽しい思い出づくりが中止になる中で、子供のストレスも大きなものがあると思います。子供の自殺者も増加傾向にあり、大きな社会問題です。家庭、学校、地域、子供に関わる全てが子供に寄り添い、問題点を素早くキャッチすることが重要だと考えます。 教育長の御答弁では、教育委員会として、これまでLINEを活用したSNS相談の開設や二十四時間子供SOSダイヤルの設置、またスキルを高めるゲートキーパー養成研修、いのちと心の授業、一人一台端末を活用した心のケア支援システムを導入し、日々の心の天気の見える化を図っております。私は、これらの取組に敬意を表します。 しかし、個々の生徒の心の中は千差万別であります。これからも、子供に寄り添った相談体制のますますの充実をお願いいたします。 クラブ活動については、本県でも地域の事情がかなり異なっていると思いますので、市町村の教育委員会とも連携を密にして、しっかりと準備していただきたいと思います。 また、有識者会議は、心身に障がいがあったり競技志向ではなかったりする生徒の期待にも応える部活動を提唱されております。問題点を整理し、しっかりと進めていっていただきたいと思います。 会計年度任用職員は、自治体にとって大変重要な住民サービスの担い手でございます。しっかりと、給与面、福利厚生面でもサポートする体制づくりが必要でございます。 御答弁では、本県が代表団体となり、関西広域連合の構成団体と共に、各自治体の判断で勤勉手当が支給できるようにする制度提案もしていただいており、大変心強く感じております。本当にありがとうございます。 また、休暇については、本年一月より産前産後休暇の有給化、また本年五月の地方公務員の育児休業等に関する法律改正により、本県においても、育児休業の取得促進につなげるため、育休条例を十月一日施行に向け準備を進めているとの御答弁をいただきました。ありがとうございました。今後とも、処遇改善に向けての取組をよろしくお願い申し上げます。 今日は全体で八項目の質問をさせていただきましたが、それぞれ踏み込んだ精いっぱいの御答弁をいただいたと考えております。本当にありがとうございます。 結びとなりますが、県庁をはじめ県の部局は、コロナ禍が長期化する中、限られた人員体制の中で厳しい勤務状況が続いております。厳しい環境下でも、自らの職責を果たすために懸命に頑張っておられます職員の皆様方には、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。 昨日の新聞で、大変多くの超過勤務の実態が報道されましたが、私は職員さんの健康を心配しております。職員さんが健康であって初めて、県民に寄り添った県民のための仕事ができると私は思っております。 知事さんはじめ理事者の皆様方にも、そのことに重々重きを置いていただきますように要望いたしまして、私の全ての質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(井川龍二君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時三十一分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時五十七分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     増  富  義  明 君     二  番     立  川  了  大 君     三  番     井  下  泰  憲 君     四  番     福  山  博  史 君     五  番     梶  原  一  哉 君     六  番     浪  越  憲  一 君     七  番     仁  木  啓  人 君     八  番     東  条  恭  子 君     九  番     原     徹  臣 君     十  番     北  島  一  人 君     十一 番     大  塚  明  廣 君     十二 番     山  西  国  朗 君     十三 番     岩  佐  義  弘 君     十四 番     古  川  広  志 君     十五 番     長  池  文  武 君     十七 番     須  見  一  仁 君     十八 番     井  川  龍  二 君     十九 番     元  木  章  生 君     二十 番     岡  田  理  絵 君     二十一番     南     恒  生 君     二十二番     岩  丸  正  史 君     二十三番     岡     佑  樹 君     二十四番     黒  崎     章 君     二十五番     扶  川     敦 君     二十六番     達  田  良  子 君     二十七番     寺  井  正  邇 君     二十八番     喜  多  宏  思 君     二十九番     重  清  佳  之 君     三十 番     嘉  見  博  之 君     三十一番     岡  本  富  治 君     三十二番     杉  本  直  樹 君     三十三番     西  沢  貴  朗 君     三十四番     臼  木  春  夫 君     三十五番     庄  野  昌  彦 君     三十六番     山  田     豊 君   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十六番・達田良子君。   (達田議員登壇) ◆二十六番(達田良子君) 日本共産党を代表して質問いたします。 まず、知事の政治姿勢について何点か伺います。 飯泉知事の五期目の任期も一年を切りました。私たちも同じです。 知事の二十年近くを振り返ると、住民の福祉の向上という自治体本来の仕事を投げ捨て、知事と関係の深い人物などを優遇する、まさに飯泉知事による県政の私物化、その下での忖度の蔓延が進行しているというのが今の徳島県政ではないでしょうか。とくしま記念オケ疑惑では、県民から厳しい批判が上がり、刑事確定記録で新たな疑惑が浮上しても、知事はその解明の先頭に立たないばかりか、疑惑解明の幕引きに躍起になりました。 一方、知事と距離を置く首長には特別交付税の減額という、公正公平な政治と逆行し、県民からも不信を招く事態が進行中です。 そこでまず、特別交付税の算定額について伺います。 三町で二〇二一年度の特別交付税の配分額が前年度から減額された問題で、知事は五月末の定例会見で、算定に県の裁量の余地はないと、恣意的な配分や自らの指示を否定しましたが、三町への回答で、ヒアリングなどで把握した各町村の特別の財政需要の性質や財政力、過去の交付額を総合的に鑑み、適切な配分に努めたと説明しました。つまり、県の裁量があったと認めたことになると思います。 特殊財政需要分については、長野県が算定根拠を明示しています。公平公正な政治というのなら、町村が不信感を抱くことがないように、算定根拠をブラックボックス化せず、情報開示することが必要です。 昨日、東条議員がこのことを質問されましたが、真摯な答弁ではなく、結局、何も明らかにしないということを明らかにしたにすぎません。 そこで、知事に伺います。 三町で二〇二一年度の特別交付税の配分額が前年度から減額された問題について、算定方法を明らかにするために徳島モデルをつくるべきではありませんか、お答えを求めます。 次に、陸上自衛隊オスプレイの訓練飛行についてお尋ねします。 五月二十七日の朝、防衛省から県に、陸上自衛隊オスプレイ訓練飛行に伴う徳島航空基地の使用についてとの連絡が入りました。 その連絡を受けて、国会の我が党議員に調査を依頼したところ、木更津駐屯地に配備されているオスプレイの徳島空港の着陸について、徳島航空基地において飛行訓練を行う場合があるとの防衛省人事教育局人材育成課から連絡があったとのことで、飛行訓練という今までになかった文言が入っていることが明らかになりました。 オスプレイの徳島空港への飛行に反対する理由の第一は、オスプレイは事故が頻発しているということです。 米海兵隊のMV-22オスプレイが、今年に入り、死亡墜落事故を二件起こしています。住民の不安を無視し、米国に次ぐ機数のオスプレイが配備されている日本にとっても、憂慮するべき事態です。 オスプレイは、主翼両端のプロペラの角度を変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と固定翼機のような水平飛行が可能ですが、プロペラの角度を変える際の不安定性などの欠陥が指摘されており、数々の墜落死亡事故を起こしてきました。しんぶん赤旗が集計した範囲で、五十人以上の乗組員が死亡、ほとんどは訓練や開発中の事故だと報道されています。 また、反対の第二点目は、県民の安全・安心を損ねる危険性があるということです。 徳島空港を経由地に選んだ理由は、陸自の北徳島分屯地第十四飛行隊が駐屯しており、後方支援を受けやすいためと報道されました。台湾有事を想定した米軍と自衛隊の共同作戦計画の策定や共同訓練の実施など、日米軍事一体化の動きが急速に進み、安保法制の危険性がますます明らかになっています。 沖縄タイムスの報道では、昨年末、米軍と自衛隊が原案を策定したと報じました。こういう中での後方支援とは極めて危険性があり、県民の安全・安心を損ねる事態につながります。 そこで、知事にお尋ねいたします。 県民の安心・安全のためにも、安保法制の危険性とともに、欠陥機との懸念も根強いオスプレイの徳島空港への飛行訓練の中止を要請するべきではないでしょうか、お尋ねいたします。 次に、物価高騰対策についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染症による暮らしと営業への影響が続く中で、原油高、ウクライナ情勢、円安などによって、原油や原材料の価格高騰、資材などの供給不足等が起き、県民や県内事業者を取り巻く状況は一層厳しさを増しています。 消費者物価指数は大幅に上昇し、様々な生活必需品の価格上昇は、県民の暮らしと営業に深刻な影響を与えています。しかも、今後さらなる高騰も予想されており、県民の暮らしと営業を守る対策が急務です。 ところが、今回提案されている補正予算案は、社会経済活動の回復に向けた需要喚起策がほとんどで、最も深刻な影響を受ける低所得層への具体的な支援策が見られません。 一昨日、県民から、物価高騰対策への緊急要望がありました。この中で、国からは、地方創生臨時交付金にコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分の創設が盛り込まれ、自治体での活用が可能な事業例が示されていること、また鳥取県では、生活困窮者に対してエアコンなどの光熱費を助成する市町村に県が補助金を交付し、支援することを決めたことなどが紹介され、徳島県でも、低所得世帯に対する給付金の支給等、県としても具体的な取組をしてもらいたいと要望が上がりました。 ところが、午前中の答弁でもありましたが、県は、こうした具体的な取組は市町村が行うべきものとして、社協の自立支援や民間の支援機関等の機能の拡充等を図る官民支援ネットワークの構築拡充に取り組むと言うばかりでした。未曽有の事態の中で、県民の命と暮らし、営業を守るためには、市町村任せではなく、県としての指導性をどう発揮するのかが今問われているのではないでしょうか。 そこで、伺います。 徳島県でも、生活困窮者支援の光熱費補助など、臨時交付金を活用した対策を図るべきではありませんか、お答えください。 次に、農業問題について伺います。 ロシアによるウクライナ侵略を機に、世界の食料品価格が急騰し、国連が第二次大戦以来の食料危機と警告するほどになっています。中国など新興国の需要が急増し、気候危機などで、農業生産の不安定化、世界の食料危機の長期化が懸念されています。日本は、小麦や大豆などほとんどの食料を海外に依存していますから、この危うさはいよいよ明らかです。 また、肥料、燃料、家畜の飼料も軒並み高騰しています。米価など農産物価格が低迷する中、多くの農業経営者が窮地に陥るのは必至です。今こそ、カロリーベースで三七%という日本の農業の現状を直視し、農政を見直さなければならなくなっています。 食料安全保障の観点からも、食料自給率向上を本気で目指す国の農政が求められています。食料の海外依存を改めて、少なくとも国民の過半数の食を賄えるように、日本の食料自給率五〇%台への回復を目標とするべきだと考えています。 徳島県内の食料自給率は四一%で、全国二十五位だそうですが、徳島の農業をもっともっと振興させ、国全体の自給率を上げていく、県はその先頭に立つべきではないでしょうか。 そこで、知事にお尋ねします。 国の農政では、食料の海外依存から国内増産へ農政の大転換を図るべきであり、県はそのための県内農業の振興策をどのようにお考えでしょうか、お答えください。 次に、ジェンダー平等に関して、一点目は、政策決定の場への女性の登用についてお尋ねします。 昨日の議論でも、日本のジェンダーギャップ指数は百五十六か国中百二十位、過去最低ということが語られました。 今年三月、上智大の三浦まり教授らでつくる地域からジェンダー平等研究会は、三月八日の国際女性デーに合わせて、各都道府県の男女平等の度合いを、政治、行政、教育、経済の四分野に分けて分析した、都道府県版ジェンダーギャップ指数の試算を公表しました。これによると、徳島県は、政治では全国十六位、経済は九位、教育は十二位、行政は二位でした。 徳島県はおおむね順位が高いなあと満足しているわけにはいきません。指数の数字を見ると、どの分野でもジェンダー平等には程遠く、しかも世界百五十六か国中百二十位という中での順位ですから、今後、格差解消のためには相当な努力が必要ということになります。 四分野のうち、行政で全国二位になっているのは、県の審議会委員のほぼ半数を女性が占めているというのが要因として大きく、この点では知事の努力が大きいと思います。審議会委員と同じように、職員の登用も知事の判断でできるのですから、管理職への女性の登用を積極的に行っていただきたいと思います。 知事部局で、令和四年四月一日現在、課長級以上の管理職員数三百十五名のうち、女性は五十一名で、一六・二%です。内訳を見ると、課長級四十六名、次長級五名、部長級はゼロとなっています。令和三年の同時点より、女性の課長級は八名増えましたが、次長級は一名減り、部長級も一名減ってゼロとなっています。 内閣府の男女共同参画基本計画を見ますと、通過点として、二〇二〇年代の可能な限り早期に、指導的地位に占める女性の割合が三〇%程度となるよう目指して取組を進めるとあります。しかし、次長級五名、部長級ゼロで、一・五九%。この目標には程遠いと言わざるを得ません。 そこで、お尋ねします。 部長級への女性職員の登用について、知事は目標を設定して取り組むべきではありませんか、お答えください。 ジェンダー平等の二点目は、男女賃金格差の開示の義務づけについてです。 政府は、ジェンダー不平等の解消を求める世論と運動に押され、新しい資本主義実現会議で、男女賃金格差の開示を義務づける方針を決めました。開示を義務化するのは、三百一人以上を常時雇用する事業主で、女性活躍推進法の省令を改正し、来月から、七月から施行するとしています。 日本の女性の賃金は、正社員同士でも男性の七割で、全体の男女の生涯賃金格差は約一億円にも上ると言われています。 私は、今回の男女賃金格差の開示の義務づけを、格差是正の第一歩として評価し、歓迎するものです。さらに、女性の賃上げは、労働者全体の賃上げにつながり、日本の経済発展にも大きく貢献するものとして、大いに今後の取組に期待しております。 そこで、伺います。 徳島県内で、今回の開示義務化の対象となる三百一人以上が働く企業において、男女賃金格差の公表が来月から施行されますが、対象となる県内企業は幾つあるのでしょうか。また、県は公表結果をどのように生かしていくのでしょうか、お答えください。 御答弁によりまして質問を続けさせていただきます。   (飯泉知事登壇) ◎知事(飯泉嘉門君) 達田議員の御質問にお答えさせていただきます。 食料の国内増産を図るべきとの視点から、本県農業の振興策について御質問をいただいております。 ウクライナ危機に伴いまして、我が国における食料や生産資材の安定確保が危ぶまれる中、去る六月七日閣議決定した政府の骨太方針では、食料安全保障の強化と農林水産業の持続可能な成長の推進が掲げられ、将来にわたる食料の安定供給確保に必要な総合的な対策の構築に着手する、このように記されたところであります。 本県におきましても、基幹産業である農業の生産力の維持向上や持続可能な成長はまさに重要な課題である、このように認識しており、国の最新動向をしっかりと注視しつつ、それを待つことなく、未来へと伸び行く農業の推進に取り組んでいるところであります。 少し具体的に申し上げてまいりますと、徳島県食料・農林水産業・農山漁村基本計画に基づき、あらゆる危機事象に対応するための県産農産物の増産拡大対策として、例えば高温耐性水稲品種あきさかりの作付面積の拡大、高度環境制御装置を備えた大規模園芸施設の整備などを促進いたしているところであります。 また、産地を支える担い手対策として、徳島かんきつアカデミーや施設園芸アカデミーの開設などによりまして、毎年約九十名の農業人材を育成いたしているところであります。 さらに、産地へのDX、デジタルトランスフォーメーション活用によります最新技術の実装対策といたしまして、IoT、インターネット・オブ・シングスを活用したニンジン栽培の環境モニタリング、AI画像解析による果樹の育成診断、レンコンの圃場でのドローンによる農薬の散布、こちらはかつては沼に胸までつかりながら手作業で行っていたものを、GPSドローンによりまして、立ちどころに行えることとなるものでありまして、鋭意取り組んでいるところであります。 このような状況の中、コロナ禍での米価の大幅な低下や、ウクライナ危機に伴う燃油や農業用資材の高騰、さらには肥料価格の高止まりによりまして、農家の皆様方は大変厳しい経営環境に置かれており、営農の継続への危機感を大変強くされているところであります。 そこで、さきの五月臨時議会におきまして、いち早く、LPガスを含む燃油高騰対策関連予算、特にこの施設園芸のLPガス、こちらにつきましては、GXの推進のために大変国も推奨しているところでありますが国のセーフティネットが重油とは違って、ないものでありまして、その関連予算をお認めいただいたことを受け、早期執行を現在図っており、また米価の低迷と肥料高騰につきましては、肥料高騰分の補填、収入保険への加入促進、米粉生産拠点整備への支援から成る同時一体的な対策を速やかに実施することといたしているところであります。 今後とも、持続可能な本県農業の実現に向け、本県農産物の必要な生産力確保を図るべく、戦略的な生産振興対策をしっかりと展開いたしてまいります。   (谷本政策監補兼危機管理環境部長登壇) ◎政策監補兼危機管理環境部長(谷本悦久君) オスプレイの徳島空港への飛行訓練中止を要請すべきとの御質問でございますが、本年五月二十七日、中国四国防衛局から県に対しまして、陸上自衛隊木更津駐屯地に暫定配備されている陸上自衛隊オスプレイについては、現在、千葉県木更津駐屯地のほか、茨城県百里基地、千葉県館山航空基地、静岡県東富士演習場及び群馬県相馬原駐屯地演習場で飛行訓練を実施している。今後、九州の長崎県相浦駐屯地、大村航空基地、熊本県の高遊原分屯地における飛行訓練を開始するとともに、あわせて、九州へ飛来する際の中継地の一つとして徳島航空基地への飛行を計画している。引き続き、防衛省、自衛隊として、隊員の教育訓練を含め、陸上自衛隊オスプレイの安全な運航に万全を期してまいるとの連絡があったところでございます。 こうした陸上自衛隊オスプレイの運用は、国の専管事項である防衛に関することであり、国が安全保障についてあらゆる点を総合的に考慮して、責任を持って判断したものと考えております。 本県におきましては、何よりも県民の皆様の安全・安心の確保が最優先であると考えており、国の責任において、飛行に当たっては最大限安全に配慮すること、不測の事態が発生すれば速やかに県と情報共有の上、対応について協議すること、この二点について、直ちに強く中国四国防衛局に対し申入れを行ったところであります。 県といたしましては、国において万全の配慮と責任を持って対応していただくとともに、陸上自衛隊オスプレイの運用状況を注視し、県民の皆様の安全・安心を確保できるよう、しっかりと取り組んでまいります。   (村山政策創造部長登壇) ◎政策創造部長(村山直康君) 特別交付税の算定について、徳島モデルをつくるべきとの御質問でございますが、特別交付税は、客観的基準を特に重視する普通交付税の機能を補完する制度であり、普通交付税の画一性や算定時期により反映することができなかった具体的な事情を考慮して交付されることとされ、市分については国が、町村分については県が、算定根拠となる特別交付税に関する省令に基づき、適切に算定を行っております。 特別交付税については、個々の団体の特別の財政需要を算定していることから、県内町村分全体の交付額が前年度に比べ増額となった場合であっても、必ずしも全町村への交付額が増額となるべき性質のものではなく、個々の町村において前年度に特別の財政需要として算定した事業が終了または縮小した場合や、前年度を上回る新たな特別の財政需要が生じていない場合など、結果として交付額が前年度に比べて減少する場合もあると認識しております。 また、その総額が限られているため、他の都道府県において災害が頻発したり、大雪に伴う除排雪に要する経費が増加した場合、本県の算定額が減少することとなります。 さらには、年度によって県内各町村の災害の規模や頻度が異なることなどにより、災害のない町村において、同じ項目で前年度と同様の特別の財政需要が発生したとしても、当該年度の特別交付税の算定において前年度の額を下回ることもあるという特別交付税の特性がございます。 議員御提案の徳島モデルの特別交付税算定につきましては、例えば、突発的に生じた災害や事故などに対応する経費については事前に想定されるものではないため、算式を定め需要額を算定できるものではないと考えております。 このため、本県においては、各町村から資料の提出や聞き取りを行わせていただいた特別の財政需要に基づき、適切に算定を行っているところです。 今後とも、各町村の特別の財政需要を丁寧に把握させていただき、特別交付税の適切な算定に努めてまいります。   〔岡議員退席、出席議員計三十四名となる〕   (森口保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(森口浩徳君) 県におきましても、生活困窮者支援として、光熱費の補助など対策を図るべきではないか、御質問を頂戴しております。 現在の社会経済状況は、コロナ禍による世界物流の停滞、またロシアによるウクライナ侵攻などの影響による原油や穀物価格等の高騰、急激な円安による輸入物価の上昇などを要因とした物価高騰が家計を直撃し、国民生活に不安が生じております。 国におきましては、コロナ禍からの経済社会活動の回復を図るため、本年四月、コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策を閣議決定いたしたところでございます。 この総合緊急対策におきましては、原油高騰対策や、エネルギーや食料等の安定供給対策、中小企業対策と並び、コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者等への支援が位置づけられており、生活困窮者等の方々への具体的な対策といたしましては、低所得の子育て世帯に対する特別給付金の支給、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給、また緊急小口資金等の特例貸付や生活困窮者自立支援金等の申請期間の延長や要件緩和などの支援に加え、地域の実情に応じたきめ細やかな支援に向け、生活困窮者支援体制を構築するための事業など、地方自治体が実施する対策への支援が講じられたところでございます。 これを受け、県におきましては、国の緊急対策に即応するため、さきの五月臨時議会におきまして、一時的または継続的に収入減少した世帯を支援するための緊急小口資金等の特例貸付、就労による自立を目指す世帯を支援するための生活困窮者自立支援金の申請期限を八月末まで延長するために必要な予算として九億五千二百万円をこの議会でお認めいただきますとともに、今定例会におきましては、生活に困窮し相談される方々の多様化や支援ニーズの変化を受け止め、生活困窮者支援の強化や充実につなげるため、市町村を含め関係機関や民間支援団体による連携体制を整備するための必要な予算を計上いたしているところでございます。 また、県内の市町村におきましては、国の低所得の子育て世帯に対する特別給付金への上乗せ支給、また住民税非課税世帯などの方々に対する地域商品券の配布、緊急小口資金等の特例貸付借入れ世帯への給付金の支給、また給食費の価格上昇分に対する補助など、地域の実情に合わせた独自の支援策が打ち出されているところでございます。 県といたしましては、物価高騰に対する国の今後の動向を注視いたしますとともに、市町村や民間支援団体と連携し、生活困窮者の方々に対する支援体制を構築し、誰一人取り残すことのない地域共生社会を目指し、しっかりと取り組んでまいります。   (伊藤経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(伊藤大輔君) 部長級への女性職員の登用について、知事は目標を設定して取り組むのかとの御質問でございますが、幹部職員への登用については、男女の区別なく、能力や適性に応じて行うことを原則とする中、女性職員の登用を着実に進めるには、将来のキャリアデザインを見据えた、固定観念にとらわれない職員配置、子育て中の職員を含め、女性職員に対する多様な業務経験を積む機会の提供、これらを可能とする職場環境づくりと職員の意識改革、こうしたことなど、一連の取組を継続していくことが重要であります。 また、近年、多くの優秀な女性職員の採用が続いており、特に四十歳未満の若い世代ではその割合が四割を超える中、女性職員のさらなる活躍を推進し、管理職として大いに力を発揮していただけるよう必要な環境整備を行うことは、社会構造の変化に対応した行政体制を継続的かつ安定的に構築していく上でも、より一層重要になっていると認識しております。 このため、本県ではこれまでも、女性活躍推進を促進するため、政策企画部門や対外折衝部門への配属、長期派遣研修や自治大学校への派遣、管理職の登竜門である副課長、課長補佐への登用など、幅広い経験の付与を通じた能力開発を積極的に行うとともに、職員個々の事情に応じた多様な勤務形態の導入やテレワークを活用した新しい働き方の創造により、男女を問わず、育児や介護、仕事を両立できる働きやすい職場づくりを推進してまいりました。 この結果、管理職に占める女性職員の割合は、十年前の平成二十四年四月の四・五%から、令和四年四月には一六・二%となり、「未知への挑戦」とくしま行動計画に掲げる令和五年度一六%の目標を一年前倒しで達成し、さらには、係長以上の役付職員においても、平成二十四年四月の二百八十七人から、令和四年四月には四百三十七人へと大幅に増加するなど、部長級を担える人材の育成は着実に進んでおります。 今後とも、こうした取組を粘り強く推進していくとともに、やる気と能力あふれる女性職員を、能力実証に基づき、係長、課長補佐等の役付職員や、課のマネジメントを担う副課長、さらには管理職の課長級から部長級へと着実に登用し、女性職員が県行政の中核において生き生きと活躍できる組織の実現にしっかりと取り組んでまいります。   〔岡議員出席、出席議員計三十五名となる〕   (梅田商工労働観光部長登壇) ◎商工労働観光部長(梅田尚志君) 男女賃金格差について二点御質問をいただいております。 まず、男女賃金格差の公表の対象となる県内企業数についての御質問でございますが、去る六月三日、政府において、女性の経済的自立や女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現などを柱とする女性版骨太の方針二〇二二が決定され、男女間賃金格差への対応として、男性の賃金に対する女性の賃金の割合について情報開示の義務化が盛り込まれたところです。これにより、公表の対象となる事業所は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を労働局に提出した事業主のうち、常時雇用する労働者が三百一人以上の事業所となります。 対象となる事業所数につきましては、労働局にお聞きしましたところ、県内においては、令和三年度末時点で、企業や医療法人、社会福祉法人など六十五事業所となっております。 次に、県は公表結果をどう生かしていくのかとの御質問でございますが、男女間の賃金格差の開示義務化は、事業所が格差是正に向けた自主的な取組を進めるとともに、女性の求職者に選んでもらうため、働きやすく、能力を思う存分発揮できる女性活躍の職場づくりを推進するものと期待されております。 また、女性活躍の推進は、就業機会の拡大はもとより、地域経済の活性化や県内企業の持続的発展を実現させるために必要不可欠であり、とりわけ賃金格差の解消にもつながる女性のキャリアアップへの取組は重要であると認識しております。 そこで、県におきましては、女性のスキルアップや再就職を支援するスキルアップ講座や就職面接会の実施、平成長久館における女性の企業経営者や組織内リーダーを育成するための能力開発研修の開催、さらに、四国大学との連携による、管理職等を目指す女性を対象としたウーマンビジネススクールを開設するなど、女性のキャリアアップ支援に取り組んでいるところです。 賃金格差の開示義務化につきましては、厚生労働省令改正の後、本年七月から施行され、事業所の実績に基づき、順次、情報が開示されますことから、まずは情報収集に努めますとともに、労働局と緊密に連携しながら、賃金格差の解消につながる女性のキャリアアップをはじめとする女性活躍の推進に今後ともしっかりと取り組んでまいります。   (達田議員登壇) ◆二十六番(達田良子君) それぞれお答えをいただきました。コメントは最後に述べさせていただいて、質問を続けます。 新型コロナウイルスの感染症対策についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックとの闘いが、もう二年以上も続いております。ウイルスが変異するたびに感染拡大の波が起こり、現在は第六波の山を越えたところです。 我が国では、ゴールデンウイーク後に感染者数が増えたものの、現在は全国的に感染者数が漸減し、落ち着いてきている感があります。 徳島県でも、二月二十三日の四百二人をピークに漸減し、一日の新規感染者数が百人を超えることがなくなってきております。しかし、まだ収束への道が見えているわけではありません。 国は、経済回復のために、感染対策上の様々な規制を緩和し、外国人旅行者の受入れも始まっていますが、専門家からは、今後また新たな変異株の出現等で第七波が起こる可能性も指摘されております。 新型コロナウイルス感染症について、医療機関と共に最前線で対応に当たっているのが、県のコロナ関連部署の職員の皆さんです。 先日、昨年度のコロナ関連部署の超過勤務の状況の調査結果を頂いたのですが、感染症対策課とワクチン・入院調整課の年度平均が過労死ラインを超える八十時間以上という結果に驚いております。この二つの課は、ほとんどの月が百時間を超えています。 昨日の徳島新聞でも、昨年度のコロナ対応県職員、残業最長千八百十七時間、月平均百五十一時間に達した。千時間、約八十三時間を超えたのはこの職員を含めて計三十人に上り、昨年度の十一人から大幅に増えたと報道されていました。 現場からは、頻繁に変わる応援体制や司令塔不在で混乱している、どの部署もコロナ以前に比べて業務が増えて多忙になっているのに、増員がないため、職員が疲弊し、病休も増えている、通常業務にしわ寄せが来ているとの声も寄せられています。また、県民からも、コロナ感染に関する証明書がなかなか発行してもらえずに困っているなどの声も寄せられております。 県は、コロナ感染拡大後、担当部署への応援体制や業務の振り分け、新たな課の創設、組織再編等を行ってきましたが、これまでの対策では対応し切れていないのではないでしょうか。 そこで、お尋ねいたします。 コロナ対応や新たなパンデミックへの対応を考慮し、感染症対策に対応する職員の増員が必要ではありませんか、知事の所見を伺います。 次に、県職員の働く環境についてお尋ねします。 徳島県人事委員会が毎年発行している職員の給与等に関する報告及び勧告では、勤務環境の整備について、県民福祉のより一層の向上を図るためには、公務能率を増進するとともに、全ての職員が健康で生き生きと働き、成長し、その能力を最大限発揮することのできる勤務環境をつくることが不可欠であると毎年指摘しております。 ところが、職員の健康管理についての現状では、本県では、病気休職者のうち精神疾患を原因とする職員が六割を超える状態にあり、また知事部局では長期病休者数が大幅に増えているということです。長期病休者は、平成三十年度六十二名、そのうち精神疾患が三十九名でしたが、令和元年度九十六名、うち精神疾患六十五名、二年度九十九名、うち精神疾患六十九名、三年度百三十四名、うち精神疾患九十名と一気に増えて、この四年間で倍以上になっています。 先ほど述べたように、令和二年三月以降、保健福祉部局を中心に、新型コロナウイルス感染症対応業務で超過勤務時間の著しい増加傾向が続いていますが、だからこそ、職員の心身の健康の保持増進は最重要な緊急課題として取組を強化しなければならないはずです。 病気休職者のうちメンタル不調の方の人数は、部署によって偏りがあるのでしょうか。 そこで、お尋ねいたします。 知事部局における職員で精神疾患の罹患が増えている原因は何なのでしょうか。また、どのようにして健康に働ける職場にしていくのですか、お聞かせください。 次に、教育現場での教員不足問題についてお聞きします。 今年一月、文部科学省が、教員不足に関する実態調査を明らかにしました。その後、テレビや新聞などでもこの問題が取り上げられるようになってきました。 徳島県でも、この数年、事態は深刻で、産休や病休の代わりの教員が見つからないと、市町村教育委員会や学校が探し回るということが恒常化していると聞きました。このため、学校では、自習が増えたり、ほかの教員や校長までもが授業を行ったりと、教員の負担が増し、子供たちの学習活動にも支障が見られる状況となっているということです。 今年五月一日時点で、小中四名、高校一名、支援学校五名の計十名が配置されていないということでした。年度初めでこのような状態で、今後の産休や病休などの欠員を補充することができるのでしょうか。 また、このような状況を生み出した背景の一つに、正規教員を増やさず、非正規教員を増やしてきたことがあります。本来正式採用するべき定数内の臨時教員は、この五年を見ても四百九十六人から六百十五人と、百人以上も増加しています。 産休や病休の代替えが見つからないのは、年度当初からの定欠を増やしてきたことも一つの原因ではないでしょうか。昨年度から小学校の三十五人学級が始まり、今こそ定数改善のときではないでしょうか。 そこで、お尋ねします。 どの子にも行き届いた教育を行うためには、正規教員を増やしていくべきではありませんか、お答えください。 御答弁をいただき、コメントを述べさせていただきます。   (森口保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(森口浩徳君) コロナ対応や新たなパンデミックへの対応を考慮し、感染症対策に対応する職員の増員が必要ではないかとの御質問を頂戴しております。 新型コロナウイルス感染症や新たな感染症への対応におきましては、保健所を中心とした積極的疫学調査による感染拡大防止に向けた初動体制の確保、また濃厚接触者に対するPCR検査など、感染者を早期に発見し、感染症を封じ込める検査体制の確保、そして、感染者の急増、重篤化に備え、適切な治療が受けられる医療提供体制の確保など、全庁を挙げた体制の構築整備が重要であると認識しております。 令和三年度の組織改編におきましては、新型コロナに対峙する感染症疾病予防対策の新たな体制として、徳島版CDCを組織し、感染症対策課が統括を担う感染症対策班、また各保健所で構成する疫学調査・現場対応班、保健製薬環境センターを中心にスクリーニング検査を実施いたします検査班、そしてワクチン・入院調整課が入院や宿泊療養の調整等を担う医療提供対策班など、六班で構成する強力な連携推進体制を構築したところです。 また、昨年十一月には、第四波のアルファ株や第五波のデルタ株の経験を踏まえ、新たに県保健・医療提供体制確保計画を策定し、徳島版CDCを充実すべく、当初の百八十四名から、感染拡大時には三百十名まで段階的に体制を拡充できるよう対応してまいりました。 さらに、第六波のオミクロン株におきましては、これまでにない感染急拡大を踏まえ、保健所職員の増員、全庁を挙げた応援体制の強化に加え、外部委託の積極的な活用などにより、令和四年四月時点で最大四百五十名の体制確保ができるよう、さらなる拡充を図ってきたところでございます。 一方、長期化する新型コロナウイルス感染症や新たな感染症に対応するため、本年四月、新たに、関係所属の職員をメンバーとした持続可能な新型コロナ対応体制の構築に向けたプロジェクトチームを発足し、簡素で効率的な業務フローへの見直し、システムの活用による迅速な情報の共有化、また保健師等の人材バンクIHEATをはじめ外部委託の積極活用など、さらなる体制強化や業務の効率化に向けた検討を鋭意進めているところでございます。 今後とも、徳島版CDCを柔軟で強靱な体制へと進化させ、県民の皆様の命と健康を守るため、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。   (伊藤経営戦略部長登壇) ◎経営戦略部長(伊藤大輔君) 知事部局における職員で精神疾患の罹患が増えている原因は何か。また、どのようにして健康に働ける職場にしていくのかとの御質問でございますが、総務省によりますと、全国三百五十の自治体における令和二年度のメンタルヘルス不調を原因とした長期病休・休職者が十年前の一・五倍となり、また地方公務員のメンタルヘルス対策に係るアンケート調査においても、地方公務員の休職者が増加傾向にあると受け止めている地方自治体の割合は七八・二%に上るなど、地方公務員のメンタルヘルス不調者は、近年、増加傾向にあると認識しております。 本県においても、全国と同様の増加傾向にあり、令和三年度、知事部局において、精神疾患を原因として三十日を超える長期病休、休職した職員は九十名と、前年度と比較して二十一名増加しており、今年度は六月一日現在で十八名となっております。 なお、現時点では、特定の部局に偏る傾向はございません。 また、その原因としては、心の病についての認識が定着したことによる受診機会の広がり、感染症の流行をはじめとする社会情勢への不安を背景としたストレスの増大、新型コロナウイルス感染症や大規模災害への対応などが影響していると考えられております。 このため、本県では、徳島県職員心の健康づくり推進計画に基づき、予防的対策として、管理監督者、担当リーダー、一般職員の各階層を対象とした研修、医師等による専門相談窓口の設置、期末ごとの所属長面談やストレスチェックなどを実施し、発症の未然防止に努めております。 特に、自分のストレス状態への気づきとなり、セルフケアに生かすことができるストレスチェックについては、ストレス相談等が必要な職員を対象に、産業医の面接指導を実施し、メンタル不調を早期にケアする機会とするとともに、所属ごとに集計分析した結果を所属長に共有し、ストレス要因そのものを低減する職場環境の改善につなげ、働きやすい環境づくりに取り組んでおります。 一方、職員が長期病休、休職に陥った場合には、当該職員に対し、メンタルヘルス嘱託医、人事課及び職員厚生課の担当者から成るサポートチームをつくり、対象者の所属と連携しながら、円滑な職場復帰と復帰後のサポートを行っております。 とりわけ職場復帰に当たっては、本人の不安を軽減し、勤務への自信と回復を図れるよう、試し出勤を実施しており、平成十八年度の制度開始から昨年度までに延べ二百五十四人が利用し、二百三十四人が職場復帰を果たしております。 加えて、今年度は新たに、職員の心の健康問題を早期に発見、対応できるよう、相談体制の拡充として、職員の利用機会が多いメンタルヘルス専門相談のカウンセラーをこれまでの一名から二名へと増員するとともに、利便性を考慮し、南部及び西部総合県民局管内で勤務する職員を対象として、定期的にメンタルヘルス嘱託医による巡回相談を実施しています。 さらに、働きやすい環境づくりのため、個々に応じた多様な勤務形態の導入や、場所や時間にとらわれない多様な働き方として、テレワークを推進しているところです。 今後とも、職員一人一人が心身ともに健康で安心して働くことのできる職場づくりに向け、しっかりと努めてまいります。   (榊教育長登壇) ◎教育長(榊浩一君) 行き届いた教育を行うため、正規教員を増やすべきとの御質問でございますが、将来を担う子供たちの豊かな学びと確かな成長のためには、教員が子供たち一人一人と向き合い、きめ細やかな指導が行えるよう、引き続き、優秀な教員をしっかりと確保していく必要があります。 本県の公立小中学校における臨時的任用教員や非常勤講師といった非正規教員の教員定数に対する割合は、直近の令和三年度文部科学省調査結果によりますと、全国平均と同程度の九%となっております。 学校の教員の数は、子供の数に基づいて算定される基礎定数に加え、複雑化、困難化する教育課題に対応するため、国から配分される加配定数があり、本県では、少人数指導や小学校高学年における教科担任制、特別な支援が必要な児童生徒への指導、いじめや不登校等の生徒指導などについて、国に強く要望し、教員の定数確保に努めているところです。 また、国に対し、徳島発の政策提言や全国都道府県教育長協議会の特別要望において、教育の質の向上が図られるよう、各種加配定数の一層の改善や充実について積極的な働きかけを行っているところです。 さらに、教員採用においては、全国的に志願者の減少や採用倍率の低下が課題となっていることから、本県では、受審年齢の拡大や、専門的な知識や技能を持つ社会人を対象とした選考の導入など、改善を図っております。 加えて、今年度実施の採用審査から、県内の学校で働く臨時教員に対して、その審査結果により、一次審査を次年度以降三年間免除する特別枠を新設し、臨時教員が受審しやすい環境づくりにも努めているところです。 県教育委員会といたしましては、引き続き、教員の定数確保に努めるとともに、継続的、計画的な新規採用により、優秀な正規教員を確保し、本県の未来を担う子供たちの育成にしっかりと取り組んでまいります。   (達田議員登壇) ◆二十六番(達田良子君) 質問項目の全てについてコメントしたいんですけれども、時間の関係で絞りたいと思います。 一つは、生活困窮者支援についてです。 国が示している新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用について、様々な例が示されております。本当に生活に困窮されている立場の方々、この方々に思いを寄せて、新たに臨時の補正予算を組むということでございます。農業や漁業についても補正を組むということですので、ぜひとも生活困窮者対策に関する事業を盛り込むようにお願いしておきたいと思います。 オスプレイに関してですけれども、オスプレイは、アメリカでは未亡人製造機と言われるほど事故が多いと言われております。オートローテーション機能がないということで、これが事故の原因ではないかと言われておりますけれども、こうした危ない機体、そして今現在、安保法制の下で集団的自衛権の閣議決定がされている、こういう中で、徳島空港に飛来するということは、これは恒常的になるのではないかと、県民の皆さんからこういう声も上がっております。 ぜひとも知事におかれてはオスプレイの危険性を直視して、徳島阿波おどり空港には来ないでくれということをぜひ申し入れていただきたいと思います。 また、新型コロナウイルスによるお仕事に日々取り組んでおられる職員の皆さん、本当に大変な思いをされていると思います。昨日の新聞を見た方が、こんなに本当に大変な思いをして働かれているのか、申し訳ない思いでいっぱいだ、こういう御意見も寄せられております。 コロナ対応で働いておられる皆さんに感謝しましょうと言うのであれば、生き生きと働きがいのある職場をつくっていただきたい、このことをお願いして、質問を終わります。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 以上をもって、通告による「県政に対する一般質問」は終わりました。 これをもって、「県政に対する一般質問」を終結いたします。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 次に、日程第二、「議案第二号・令和四年度徳島県一般会計補正予算(第四号)より第十八号に至る計十七件」を議題とし、前回の議事を継続いたします。 この際、申し上げます。 ただいま議題となっております議案中、「議案第九号・職員の退職手当に関する条例の一部改正について」につきましては、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、お手元に御配布のとおり回答がありましたので、御報告いたしておきます。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。   (「なし」と言う者あり) ○議長(南恒生君) 質疑なしと認めます。 ただいま議題となっております各議案は、お手元に御配布いたしてあります「議案付託表」のとおり、それぞれの常任委員会に付託いたします。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) お諮りいたします。 六月二十一日、二十三日、二十四日及び二十七日から二十九日までの計六日間は委員会開会のため、六月二十日及び七月一日の両日は議案調査のため、六月二十二日及び三十日の両日は議事の都合により、それぞれ休会といたしたいと思います。 これに御異議ございませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(南恒生君) 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 六月十八日、十九日、二十五日、二十六日、七月二日及び三日の計六日間は県の休日のため休会、七月四日再開いたします。   ──────────────────────── ○議長(南恒生君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後三時五十九分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △条例案に対する意見について                                徳人委第5077号                               令和4年6月17日 徳島県議会議長 南   恒 生 殿                    徳島県人事委員会委員長  森 俊明             条例案に対する意見について 令和4年6月14日付け徳議第10056号により本委員会の意見を求められた次の議案については,異議ありません。 第9号 職員の退職手当に関する条例の一部改正について △議案付託表        令和4年6月定例会 議案付託表<総務委員会>議案番号付 託 事 項議案書 掲載頁第 2号令和4年度徳島県一般会計補正予算(第4号)  第1条第1表 歳入歳出予算補正中   政策創造部,未来創生文化部に関するもの1第 7号徳島県議会の議員及び徳島県知事の選挙における自動車の使用並びにビラ及びポスターの作成の公営に関する条例の一部改正について13第 8号徳島県の事務処理の特例に関する条例の一部改正について15第 9号職員の退職手当に関する条例の一部改正について17第10号徳島県税条例等の一部改正について19第11号過疎地域内における県税の課税免除に関する条例の一部改正について23第12号地方活力向上地域内における県税の課税免除等に関する条例の一部改正について25第16号徳島県青少年センター機能移転整備業務の委託契約の変更委託契約について33第18号不動産の贈与受理について37<経済委員会>議案番号付 託 事 項議案書 掲載頁第 2号令和4年度徳島県一般会計補正予算(第4号)  第1条第1表歳入歳出予算補正中   商工労働観光部,農林水産部に関するもの1<文教厚生委員会>議案番号付 託 事 項議案書 掲載頁第 2号令和4年度徳島県一般会計補正予算(第4号)  第1条第1表歳入歳出予算補正中   保健福祉部,教育委員会に関するもの  第2条第2表債務負担行為補正1第13号民生委員定数条例の一部改正について27第15号徳島県病院事業の設置等に関する条例の一部改正について31<県土整備委員会>議案番号付 託 事 項議案書 掲載頁第 3号徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例の一部改正について5第 4号徳島県自然環境保全条例の一部改正について7第 5号徳島県環境影響評価条例の一部改正について9第 6号徳島県生活環境保全条例の一部改正について11第14号徳島県県土整備関係手数料条例の一部改正について29第17号徳島東環状線街路工事末広住吉高架橋上部工の請負契約について35...